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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.105
2016年11月3日号
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◆今回の内容
◯二至を結ぶレイラインを基準とする街
・善通寺の向きと街の条里
・鯖江市の基本軸
◯お知らせ
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二至を結ぶレイラインを基準とする街
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10月半ばからの半月あまり、香川、福井、長野と行脚して聖地調査したり講演会で話したりしてきました。その間たくさんの人と出会い、刺激もたくさんいただきました。
以前から感じていて拙著にも記しましたが、地球を一つの生命体「ガイア」と考えれば、聖地はガイアの要所に点在する「ツボ」であり、それを結ぶレイラインは「経絡」、に例えられると思います。そして、ガイアの経絡を辿ってツボを巡る「気」は人間だろうと。ツボに鍼を刺して、人体を活性化させるように、人が聖地を訪ねることでガイア=地球が活性化されるのではないかと。
各地を巡って、聖地の構造を調べ、その成果を地元の人たちに伝えたり、一緒に聖地を巡ると、地元の人たちは、身近にある聖地に明確な意味が秘められていることを知ったことで、故郷について関心を持つようになり、郷土愛を深めていきます。そんな体験を繰り返していると、自分が地球のツボを巡ってガイアを活性化する「気」のようなものであるという思いが強くなるのです。
今回、長い旅の道中、一人で車を運転しながら様々な思いを巡らせていると、ふと30年前に台北で会ったラマ僧から言われた言葉を思い出しました。人から紹介された山奥のラマ教寺院を訪ねたとき、薄暗い本堂の奥に仏のように鎮座した年老いたラマ僧が、私の顔を見上げるなり、挨拶も抜きに「お前は動き続け、考え続けなければならない人間なんだ」と言ったのです。あれから30年以上が経って、ようやくその言葉の意味が理解できたような気がしました。
今回は、そんなことを感じた旅の場面から、四国と福井の話を紹介したいと思います。
【善通寺の向きと街の条里】
以前、香川県西部で聖地調査をした際に、この地方では夏至の日出と冬至の日入の方向を結ぶラインに寺社が並ぶケースが多く、また街道もその方向に沿って伸びていることに気づきました。それは、空海の出生地として有名な善通寺市でもっとも顕著で、善通寺市街の条里はこの二至のラインを基準に整備されているのです。
善通寺市以外の地域からこの街にやって来た人は、方向がわからなくなってしまうことが多いと言います。他の街は奈良や京都と同じように東西と南北の道が交差する一般的な条里で街が築かれているので、北東-南西の街路とこれに直交する北西-南東の街路で区切られている善通寺市街では方位が混乱してしまうのです。
善通寺市街の西端には空海が生まれた善通寺があり、その参道が真っ直ぐ夏至の日出方向へ延びています。私はこれを基準線として条里が整備されたために、このようになったのだろうと考えていました。さらにいえば、夏至と冬至を意識した参道を持つ寺社は、古くは太陽信仰の聖地であった縄文時代の祭祀遺跡の上に建っていることが多いので、善通寺も元々そこにあった縄文時代の祭祀遺跡の上に建ち、太古の記憶をそのまま残しているのだろうと推測していました。
善通寺市では、郷土館の館長を務める大河内義雅氏を紹介してもらい、様々な話を伺うことができました。善通寺市立郷土館は、善通寺東院の赤門(東門)から延びる商店街の一角にあり、市内で出土した考古資料や民具など1500点あまりを展示しています。中でも、国史跡「有岡古墳群」の出土物は出色で、3~7世紀に築かれた首長墓に副葬された金銅製冠帽や銀象眼が施された鉄刀など全国的に見ても貴重な物があります。長年市議を務めた後に館長となられた大河内氏は80近いお歳ながら、矍鑠として、資料を紐解きながら説明してくれます。
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