アウトドアのノウハウとして、前回はテントの選び方を解説しましたが、 今回は、キャンピングをより快適にするためのギアとして、テントマットをご紹介します。
●テントマット
グランドシートの上に直接シュラフを置いては、地面の凸凹が背中に当たったり、地面からの冷気によって安眠することは不可能です。 そこで必要となるのがテントマットです。
テントマットは、大別すると三種類あります。ひとつは、エアーマット。そして、エンソライトなどの合成樹脂のクローズド・セル・ フォームを使ったマット。さらに厚手のフォームパッドを気密性の高いシェルに包んだエアー&フォームタイプのマットです。
エアーマットは文字どおり風船状に気室の中に空気を入れてクッションにするマットです。これは、 空気を抜けばコンパクトに収納できるのが特徴ですが、岩場などでクッション代わりに使ったりするとパンクの恐れがあります。 全体が一気室のものでは、一ヶ所がパンクしただけで使い物にならなくなってしまうため、いくつかの気室に分かれているのがふつうです。また、 雪の中などでは、マット内部のエアーまで冷えて断熱性が低下することがあります。
クローズド・セル・フォームのマットは、ウレタンと発泡スチロールの中間のような素材を想像してください。 これはすでにフォームの中に空気を含んでいるので、後から空気を入れて膨らます必要はありません。持ち運びには、 折りたたんだり丸めてザックのトップにくくりつけたりします。バックパッカーが、ザックの下のフレームにくくりつけているあれがそうです。 パンクの心配はなく、断熱性も高いのが特徴ですが、かさばるのが難点です。三つのタイプの中ではいちばん廉価なタイプです。
エアー&フォームタイプはウレタンフォーム(スポンジ)を気密性の高いシェルで包んで、エアバルブを設けたマットです。 バルブを開けて、空気を吹き込んでウレタンフォームを膨らまして使います。エアマットの収納時のコンパクト性とクローズド・セル・ フォームの断熱性の良さを兼ね備えたもので、万が一パンクしても、ウレタンフォームそのもののロフト(厚み)で、 そこそこの寝心地と断熱性を確保できます。ただし、このタイプは他の二種に比べて少々値が張ります。
最近ではテントの外側に敷く断熱シートも売り出されています。 これを使ったからといってテントマットが不要ということにはなりませんが、断熱効果はかなりアップします。また、 テントのメンテナンスでは地面に接していたグランドシートの汚れがいちばん頭を悩ますところですが、これを使用すればその問題は解決します。
・追記
ぼくは、テントマットは、クローズド・セル・フォームタイプを愛用しています。モンベルの『キャンピングマット』というモデルで、
全身用の長さがあります(軽量化を重視する登山では、上半身だけをカバーする半身用を使うこともあります)。これを、
ぼくはテントの中だけでなく、岩場や地面の上に直接敷いて昼寝したりしますが、70デニール(デニールとは生地の糸の太さの単位です。
詳しいことは後にご紹介しますが、数字が少ないほど太い糸だと覚えておいてください)ナイロン生地は丈夫で、パンクの経験はありません。
**今、主流となっているのは、 クローズドセルでセルフインシュレートタイプのフォームマット。寝心地がよく、空気を抜けば、 非常にコンパクトになる** |
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**収納時は非常にコンパクトにまとまり、 使用する時にはバルブを開いてやれば空気が入っていくセルフインシュレートタイプも、 形状や機能が様々なものが登場している。写真は WX-tex「アーバーライト」。 加重の掛かり方に合わせてセルの厚みが変えてあり、 快適さとコンパクト性を両立させている** |
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