先日、このコラムでもご紹介したツリーイングの体験会に行ってきました。
2月4日、埼玉県内にあるごく普通の公園の雑木林。待ち合わせの11時に到着するとツリーマスターアカデミー北関東支部の梅木さんと金山さんが、 すでにセッティングを終えて、高さ7~8mの樹上にツリーボートというハンモックのようなテラスが掛けられ、 今回参加した10人分のロープがつり下げられています。
ツリーマスターアカデミーでは、ダブル・ロープ・テクニック(DRT)という方法で樹に吊り下げられたロープだけを頼りに、 ハーネスを使って安全に簡単に登れるテクニックを教えてくれます。
**専用のシットハーネスとヘルメットを着用して準備完了!!**
この、ロープを利用した木登りの技術は、アーボリスト(樹木医) が樹上作業を安全に行うための手段として世界各国で様々な形で利用されてきたもので、樹木に対するインパクトも少ない、 非常に合理的な方法です。これを応用したレクリエーションとしてのツリーイングは、1980年代の前半にアメリカで誕生しました。
方法はすこぶる簡単。木の枝に逆U字状のロープが通るホースのような道具を掛けて、 ちょうど昔の手繰り式の井戸の水桶を持ち上げるように、自分で自分を持ち上げる仕掛けになっています。
**簡単なレクチャーの後、「木登り開始」。びっくりするほど簡単に、力も入れずに、 空中世界へ!!**
木に掛けられたロープにはハーネスを使って自分のからだを吊るし、 反対側のロープを鐙状にしたループを踏み込むことで手繰り寄せて上っていきます。
ハーネスの装着方法を習い、ヘルメットを被ってから、ロープの結び目にカラビナを掛けてぶら下がり、あとは、 インストラクターの梅木さんがやった要領で、鐙に足を掛けて体重を掛ければ、そのまま苦もなく体が持ち上がっていきます。
当日は風が強く、ロープにぶら下がっているとブランコのように揺れたり、体が回転して、少々安定感がなかったものの、 あっという間に、雑木林の天井世界へ。
見慣れた公園の雑木林が、上から見ると、とても明るく広々して見えます。風にしなる木にぶら下がって目を瞑り、 やさしい木漏れ日を浴びていると、木にぶら下がっているのではなく、 空中を風に揺られて浮遊している不思議な生き物になったような気がしてきます。
**普段見慣れた公園の雑木林をこのアングルから眺めると……**
樹幹に張られたツリーボートに潜り込むと、これは4点で支えられているので、見た目よりはるかに安定して、ここでランチをしたり、 昼寝をしたくなってきます。
ツリーボートの上で横になって、さらに上に伸びた枝を見上げていると、樹が風に柔軟にしなって、ダンスを踊っているように見えます。 そのしなやかな動きからは、樹がやさしい心を持った生き物であることを実感させ、その腕に抱かれていることで、 とても深くリラックスしてしまい、そこから降りたくなくなってしまいます。
梅木さんたちは、このツリーイングを一般の人のアクティビティだけではなく、心を病んだ子供たちや、 身体にハンディキャップを持った人たちに、体験してもらうことも積極的に行っています。
心を病んでしまうのは、人一倍感受性が強く、ナイーブであるからでしょう。梅木さんたちが木の上に案内したそういう子供たちは、 単なるアクティビティとしてツリーイングを楽しんでいる人たちに比べて、木のぬくもりや木が語りかけてくる言葉をはるかによく理解して、 無上の笑い顔を見せてくれるそうです。
今回、ぼくが呼びかけて参加してくれた10人のメンバーは、みんないっぺんでツリーイングの虜になり、 この新しい世界にすっかり魅了されていました。
ツリーマスターアカデミーでは、ツリーイングを次のように定義しています『対象である木(Tree)につけられた「ing」は 「木に登る~Climbing」「木から学ぶ~Learning」「お互いに共有する~Sharing」の3つのingを表しています』。
**ツリーボートは、まさに「空中テラス」いつまでも離れたくなくなってしまう**
木に登り、木と対話して、互いに同じ体験を共有したメンバーは、いっぺんで心がひとつになりました。
ツリーマスターアカデミーでは、全国各地でツリーイング体験会を開催しています。ぜひ、一度、体験会に参加して、 木と友達になってください!!
■ツリーマスターアカデミー
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