いよいよゴールデンウィークが始まりましたね。ぼくは、まず一足早く九州の阿蘇と由布院を巡ってきました。そして、中一日置いて、 今度は熊野に出かけてきます。
熊野といえば、一昨年、高野山から熊野古道一体が世界文化遺産に指定され、 このゴールデンウィークもかなり人気を集めるエリアになりそうな雰囲気です。
ぼくは、学生時代の友人が熊野市の出身であったり、山岳修験に興味を持ってフィールドワークしてきたりしたので、 この地方にはとても愛着があり、何度も訪れています。でも、今回は世界遺産に指定されてから初めての訪問で、どのようになっているか、 楽しみでもあり、少々不安にも感じています。
なにしろアプローチが遠く、なかなか行きにくいところですから、昔はゴールデンウィークや夏休みでも、訪れる人はごく少なく、 深山の幽幻な雰囲気が楽しめましたが、今はどうなっているのか……。
数日前からいろいろと資料を集めて、ルートの検討などしてみました。
今回は、東京から高速道路経由で伊勢に入り、そこから、尾鷲、波田須周辺の熊野古道の伊勢路を散策して、熊野市へ。 さらに熊野三山を巡り、熊野三山のルーツとも言われる玉置山から十津川、熊野古道のクライマックスである中辺路付近を散策して、 できれば高野山から奈良に抜けて戻ってこようと思っています。
最新のガイドブックを見ると、古道はしっかり整備されていて、「語り部」の方などもいるようで、ただただ痕跡を訪ねた昔に比べると、 だいぶ理解が深まりそうで、期待も膨らんでいます。
熊野古道といえば、世界遺産の中で、「サンチャゴ・デ・コンポステーラ」と二つだけが、巡礼の道として指定されています。 サンチャゴ・デ・コンポステーラも熊野古道も、それぞれ聖地に向けていくつものルートがあって、それを辿る形になっています。
紀伊半島全域は「果無山脈」と呼ばれる重畳たる山並みが続き、深い森に覆われた場所で、そこが修験の場とされたのは、 圧倒的な密度を持つ自然の中に身を置くことで、開放的になるというよりは、卑小な自分を痛感して、内面へと自然に視点が行き、 深い思索へ下りていけるからなのかもしれません。
修験の中ではもっとも過酷といわれる「奥駆け」では、奈良の吉野から入山し、一週間以上かけて熊野までたどり着きます。かつては、 その終着地の一つである那智大社のご神体である那智の滝から身を投げる「捨身修行」も行われたという記録があります。
徐福伝説や補陀洛浄土をめざした渡海の歴史も残る熊野は、深い自然とともに、その神話性がとても魅力的な土地なのです。
これから、現地のライブを中心に、ご報告していきますので、どうぞご期待ください。
■今回使用する資料■
**各エリアのガイドだけでなく、読み物としても充実した内容の「にっぽんの旅」
シリーズ**
**今回は本格的な登山の予定はないが、エリアが被る場所のトレッキングがあるので、「山と高原地図」
のコースタイムや水場などを参考にする**
**ゴールデンウィーク中の予約はなかなか厳しいが、案外当日はキャンセルが出て宿泊可能なことが多いので、
定番の宿のガイドも用意**
これらのガイドに加えて、今回は、熊野古道に焦点を絞った読み物なども参考図書として、事前に読んだり、持参することにしました。
また、マップのほうは今月発売になったばかりの「ツーリングマップルR」を持って行きます。
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