先月末、付き合いのある会社の花見があって、 内堀沿いの英国大使館前の一等地に陣取っておでんを突きながら夜桜見物したのはいいが、 冬型に戻った気圧配置のせいで寒風吹きすさび、人影まばらな公園でテントマットを体に巻きつけての宴会は花見というより 「ビバーク」といった様相だった。
雪辱戦というわけでもないが、先週末は昼間に神代植物園に出かけて、 その前々日とはうって変わった初夏のような陽気の中で花見を楽しんだ。
今年の桜は息が長く、雨や強風に晒されてもあまり散らずに残っている。今日、 自宅から多摩川沿いに南下して都内へ向かっていくと、まだまだ花盛りの並木があちこちにあって、 その下では花見の宴が開かれていた。
しかし、「桜」なんて意識するようになったのはいつ頃からだろう? 昔は、 「春なんだから春の花が咲くのは当然だろう」と、まったく冷めていたものだが……。 歳を取るにしたがって身の回りの事象がいとおしく感じられるのは、 生物としての残り時間がはっきりと少なくなっていくことをどこかで意識しているせいかもしれない。それにしても、 儚いモノであるはずの桜が、今年のようにしぶといと、今ひとつ風情が足りなく感じてしまうのも、歳をとった証拠だろうか。
そんなしぶとい桜の気配に包まれた一週間の間に、自分が何をしていたのか振り返ってみた。
東京モーターサイクルショーを覗きに行ってメーカー関係者と挨拶を交わし、 COSTOCOの会員になって「ヤダモノ」 (主食にならないお菓子やソフトドリンクの類を明治生まれの祖母はそう呼んでいた)を山ほど買い込み、 本を一冊半読み(宮内勝典『焼身』、佐野眞一『阿片王』)、ミーティングを数本こなし、企画書を数本書きとばし、 WEB関連の新しいシステムやらサービスをいくつか思いつき、じつに久しぶりに「ライダー」 として新車のインプレッションの仕事をして、ビールを通算10リッターほど、焼酎を1升、ワインを2リッターほど消費した。
めまぐるしい割にはこれといって劇的なこともなく、平穏というか平凡な一週間だった。 そろそろしぶとい桜も散り際となったようだし、花粉症の季節も過ぎたことだし、本格的に活動開始といこう。
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