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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.155
2018年12月6日号
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◆今回の内容
◯不思議な体験と虫の知らせ?
・311の不思議な体験
・虫の知らせ?
◯お知らせ
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不思議な体験と虫の知らせ?
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いつの間にやら、気づけば2018年も残すところあとわずかとなりました。そろそろ師走の慌ただしい時節でもありますので、今回は聖地学の本題からは少し外れますが、気楽な読み物のような形で、私の身に起こった不思議な出来事について記してみたいと思います。
じつは、この話は、前回配信した鹿島神宮とも奇妙な因縁で繋がっていることなので、必ずしも聖地と無関係というわけでもないのですが。
●311の不思議な体験
誰しも一度や二度は、不思議な体験をしたことがあると思います。たとえば、誰かのことを思い浮かべていたら当人から電話が掛かってきたとか、あるいは、ある人の噂話をしていたらその人に旅行先で出くわしたといったシンクロニシティとも呼べるような体験。また、掛かってきた電話に出る前に、ふと虫の知らせのような不吉なものを感じたり…等々。
私もそうした体験が何度かあります。その中でも、311東日本大震災の前の体験は今でも強く印象に残っています。
東日本大震災は2011年3月11日に発生しました。その一週間前、私は若狭で「お水送りと不老不死伝説」ツアーのガイドをしていました。
奈良東大寺二月堂に伝わる「お水取り」の儀式に先立つこと10日前、若狭から二月堂へ向けて「御香水」と呼ばれる聖水を送る儀式が「お水送り」です。
これは、3月2日の夜に行われるもので、若狭神宮寺の閼伽井から汲まれた御香水を遠敷(おにゅう)川の鵜の瀬というところから流すと、その10日後に二月堂下の若狭井から湧き出すと伝えられています。
御香水を先頭に戴き、その後を無数の松明が遠敷川に沿って続く光景は、さながら全身を煌めかせて天に昇る龍のようで、その光の列に加わっていると、幻想の中を龍と一体となって泳いでいるような気分になります。
この御香水には、不老不死の妙薬という意味合いがあるのですが、若狭には他にも不老不死にまつわる伝説が数多く残っています。私がガイドしていたツアーはお水送りの儀式への参加をクライマックスとして、他の不老不死伝説の残るポイントを巡るもので、2004年以来続けて、この年で8回目でした。
例年のように、無事ツアーを終え、その翌日の3月4日は、帰京する前に、ツアーの主催者であるTさんと、ツアーの反省やよもやま話をしていました。そのとき、なぜか原発の話に熱が入ってしまいました。
福井県の若狭湾一帯は「原発銀座」ともいわれるように、商業用の原子力発電所13基に、廃炉が決定している研究用高速増殖原型炉「もんじゅ」、廃炉研究のための原子炉廃止措置研究開発センター(旧ふげん)が林立しています。
そのうちの一つである美浜原発は、過去に何度も事故を起こし、その度に周辺の宿泊施設や観光施設は深刻な風評被害を経験して、原発に対する不信感を持っています。
私の故郷の茨城県沿岸部は、日本で最初の原発が稼働した東海村があり、そこには当時は稼働していた東海第二原子力発電所があります。さらに南に下った大洗町には「もんじゅ」の原型ともなった研究用高速増殖炉「常陽」があります。さらに、北に目を転じれば、県境を越えた福島県沿岸は、福島第二、福島第一原子力発電所を擁する若狭と同様の「原発銀座」でした。
同じ原発立地県であり、密集地域なので、Tさんとはしばしば原発の話をしていたのですが、そのときは、とくに原発事故の恐ろしさや風評被害についてだいぶ長い間話し込みました。気がつけば日も落ちかけて、私はあわてて若狭を後にしました。
若狭からの帰り道は、いつもなら敦賀から北陸道に乗って東京へ向かうのですが、その日は交通費を節約しようと、一般道で琵琶湖の東岸を南下し、さらに岐阜市を通り越して中央道に乗ろうと考えました。
琵琶湖の東岸を下るところまでは順調だったのですが、その後、どう道を間違えたのか、気がつくと岐阜県北部の根尾に出ていました。根尾は、1891年に発生した濃尾地震の際に巨大な断層ができたところで、今はその断層が国の特別天然記念物に指定されています。
ついさっきまで、原発事故の話をしていて、その後意図せずに巨大地震の爪痕が残る現場に行ってしまったことが、とても不吉に思えました。
それから一週間後の3月11日、東日本大震災の当日の朝、私は自分の悲鳴で目を覚ましました。おかしな夢を見ていたのです。それは、当時から遡ると33年前に亡くなった父が出てきた夢でした。
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