先週末は若狭のお水送りと不老不死伝説巡りのツアーを案内してきた。
若狭町にあるPAMCO湖上館という宿の館主田辺さんから宿主催のアクティビティの展開について相談を受け、初めてPAMCOを訪ねてから10年、2006年からお水送りと若狭に伝わる不老不死伝説のポイントを巡るツアーを始めて8年になる。
お水送りは、奈良東大寺二月堂で行われる「お水取り」に先立つこと10日、奈良へと「ご香水」と呼ばれるマジカルな聖水を送る行事。奈良神宮寺の境内で東大寺と同じように火で水を清める韃靼の儀式が行われ、ご香水を注ぐ「鵜ノ瀬」までの3kmあまりをご香水を大松明が先導し、その後に中松明、手松明の行列が並んで進んで行く。この数年注目を集め、年々参加者が増え、昨年は5000人を超える人が手松明を携えて行列に参加したが、今年は強風で時おり吹雪く天気だったためか、ちょうど週末に当たって日が良かったのに、参加者は3500人にとどまった。
それでも我々のツアーは、長年続けてきたオリジナルの内容ということもあって、定員一杯の21人のお客さんが集まった。
思い返せば、一昨年のお水送りでは、神事を終えた翌日に田辺さんと翌年のことなど話しながら、何故か原発の話題になった。若狭は原発銀座だし、ぼくの生まれ育った茨城県の太平洋沿岸は東海村の原発や大洗の高速増殖実験炉などがあり、さらには福島第二、第一も海岸続きで、若狭でも茨城や福島でも事故があったらたいへんなことになるねなどと翌週の福島のことを予感したような不気味な話をして別れた。そして、ぼくはETC割引が効くまでの時間つぶしに何故か濃尾地震の大断層がある根尾を訪ねたのだった。
昨年は、3.11から一年経ち、お水送りの神事に立ち会うと、それまでとは違って鎮魂や再生を祈る気持ちで厳粛に見つめていた。
根っからの天邪鬼で盆も正月も平日となんら変わらずに過ごしてきたぼくとしては、この「お水送り」は、一年の節目ともいえる儀式になった。それぞれの年にどんな思いで火を見つめ、長い松明の行列に加わって歩を進めていったか、はっきりと思い起こすことができる。
レイラインハンティングという聖地を訪ね、聖地に秘められた思いや土地の力を見つけ出す旅をはじめてからかれこれ20年。お水送りと若狭の不老不死を訪ねるツアーは、レイラインハンティングが生み出した地域活性の一つの成果ともいえるものだが、それも7回を数えるまで続けてきた今年は、あちこちから、聖地を発掘して観光資源としたいという要望が届くようになった。
先月は明日香でレイラインハンティングによる聖地の掘り起こしを行い、今月は伊豆急沿線で聖地を巡り、そこに古の人たちが込めた思いや仕掛け解き明かしてくる予定だ。
**7日配信の『聖地学講座』は「若狭お水送りと不老不死伝説再考」の予定です。こちらでは、詳細にお水送り儀式と若狭の不老不死の聖地について解説します**
http://www.mag2.com/m/0001549333.html
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