昨日、雨でびしょ濡れになってしまったアーボロープを天日に干して乾かした。コンクリートの三和土に無造作に広げられた8本のロープは2時間あまりでさっぱりと乾いた。
猫の額ほどの広さの三和土に降り注ぐ太陽のエネルギーでも感動的なほどの熱量があるのだから、今日のような快晴の日に、たとえば関東一円に降り注いだエネルギーはどれほど大量なのか想像もつかない。
北海道の泊原発が停止して、ついに日本で稼働中の原発がなくなると、しつこいくらいニュースは報じているけれど、たとえば今日のような日は、日本中に降り注いだ太陽のエネルギーは、電気エネルギーに換算すると何Wだったとかといったニュースが聞いてみたいものだ。
φ12mm×36m重さ4kgほどのロープが8本、原発で作られた電気が都会にまで届いて、それで乾燥機を回したとして、すっかり乾燥させるためには、少なくとも5,6台の乾燥機を40分や50分フル稼働させなければならないだろう。そう考えると、素人にも、太陽のエネルギーの途方もない大きさがよくわかる。
春から夏にかけてツリーイングイベントを行なっていると、樹木がこの太陽エネルギーを効率良く蓄えているのがよくわかる。日が強くなるにしたがって、冬枯れしていた森が一斉に芽吹き、葉を茂らせて、日差しを無駄なく受け止めようとする。
昨日はムクノキを使ってツリーイングをしたが、今の時期は樹木が細い枝をたくさん伸ばし、それが一斉に芽吹くため、一ヶ月前には難なく錘のついたラインを狙った枝の又に掛けられたものが、細かい枝に絡んでお祭りになってしまう。ムクノキはその葉の裏がザラザラしていて、木地の仕上げ磨きに使われたりするのだけれど、それが禍いして、錘を包むナイロンの生地に引っかかり、余計に絡みやすい。
ツリーイングを通して樹木と向かい合うようになってから、彼らが季節に合わせて合理的に変化していく様が、素晴らしくソフィスティケイトされているものであることに気づき、巨樹巨木を前にすると、素朴に尊敬の気持ちを抱くようになった。
そして、樹木の知恵や意識に学んで、自然環境にもっとずっとマッチした形で生きていけるようになりたいと思う。
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