今日は、とあるNPOのオーダーで、ツリーイング体験会を開催した。
昨日の雨は夜半には北へと通り過ぎて、今日は少なくとも午前中は晴れる予報だったが、結局は、断続的な雨に祟られて、まともなイベントにならなかった。局地的な気象レーダー画像を見ると、東京の西部で発生した雨雲が発達しながらさいたま市上空にやってきて、それが雨を降らせている。
多摩や秩父の山岳地帯で雨雲が発達して、それがやってくるのならわかるけれど、地図を見ると雨雲が発生しているのは立川や八王子のあたりで、地形的に上昇気流が生まれるとも思えないし、都心部のようにヒートアイランドで、その上空に雲ができるとも思えない。そもそも、まだヒートアイランド現象が起こるほど気温も地表温度も上がっていないはずだ。
発達した前線が通過した後に、名残惜しそうに低気圧が残留して、それがおかしな気象現象を起こしているのだろうが、どうもこれから先のもっと深刻な異常気象の前触れのような気がして気持ちが悪い。
予報では雨が降り出すとされていた午後になると晴れ間が出てきた。
ちょうどまだ残っていた参加者がいたので、急遽、スラックラインを張って、撤収してしまったツリーイングの代わりに俄体験会となった。
雨上がりの林に木漏れ日が落ちて、ようやく初夏らしい爽やかな雰囲気になる。子供たちも引率の父兄も思わず体験できることになったスラックラインに、嬌声をあげて喜んでくれた。
あらためて雨雲レーダーの画像を見なおしてみると、午前中はほぼ南から雨雲がやって来ていたのが、西の秩父の山岳地帯で発生した雨雲が東へ向かって進んでくるが、途中で消えて、ここまでは届いていないことがわかる。
低気圧の中心が北に動いて、風向きが変わったせいだろう。
フィールドにいると、この5年ほどの間に、地球の生理ともいえる気象がまるで予測のつかない方向へ変化してしまっていることを実感する。観天望気のセオリーや経験値が段々役に立たなくなり、スマートフォンに映し出されるリアルタイムのレーダー画像やピンポイントの降雨観測映像ばかりを頼りにするようになることで、ますます人間が自然から疎外されていく。
今、原発がすべて停止して、この夏の電力需要が逼迫するといったことを盛んに喧伝しているけれど、今までのデータなど、これから勃発する今まで経験したことのない異常気象の前では、ほとんど役に立たないだろう。
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