昨日は、午後から虎ノ門にある金刀比羅さまの東京分社にお参りに行ってきた。
虎ノ門から新橋界隈は、もう20年以上も前からよく訪れているところだが、虎ノ門交差点のすぐそばに金刀比羅さまがあることをつい最近まで知らなかった。
その名も「虎ノ門琴平タワー」という高層ビルの隣にコンクリート製の大きな鳥居があり、その奥に銅葺き屋根の風格ある社が鎮座している。江戸時代初期に丸亀藩主の京極高和が三田藩邸内に地元の金刀比羅宮を分霊した後、京極高豊の代に江戸城の裏鬼門にあたる虎ノ門に移された。
例年なら、茨城の実家に帰省していれば大洗の磯前神社に初詣に行くのが習わしだが、今年は帰省を直前に取りやめたのは、前回のエントリーで書いた。考えてみれば、帰省していたら4日に金刀比羅参りするのは叶わなかったので、あるいは金刀比羅さまに足止めされたと言えるかもしれない。
4日は、昨年末に高松で立ち上がった「㈱風向」の面々が本場の金刀比羅さまに総出でお参りに行った。それとタイミングを合わせて、四国まで足を運べなかったぼくは東京の分社にお参りしたというわけだ。
四国丸亀に鎮座する金刀比羅宮は、海運の神様として知られる。元々は金毘羅と表記され、サンスクリットの「クンピーラ」を漢訳したもの。クンピーラはガンジス川に棲むワニが神格化したもので、薬師如来十二神将の一つ「宮毘羅大将」を指す。本来、水辺に潜み人に害を成すワニを祀ることで、逆に水難、海難避けとして、とくに漁師や海運業者に厚く信仰されてきた。
本家の金刀比羅宮も東京の分社も社は寺院建築風なのは、元々、神とも仏ともつかない神仏習合の信仰を今に伝えているせいだろう。
金刀比羅宮に祀られるのは大物主神。出雲の主祭神大国主神だ。これに、日本三大怨霊の一人、崇徳上皇が合祀されている。なにやら御霊信仰めいているが、東京分社に限っていえば、朝廷に仇を成した平将門と並んで崇徳上皇が江戸城の守護神とされたことは面白い。
それはともかく、わざわざ高松のメンバーとタイミングを合わせて金刀比羅宮にお参りしたのは、「風向」がこの春から高速クルーザーとカタマランヨットを保有して瀬戸内を舞台としたツアーを展開するので、関係者一同で安全祈願をするためだった。
ちょうど10年前、海育ちながらマリンスポーツととんと縁がなかったぼくがシーカヤックと出会ったのが瀬戸内だった。さらに昨年は無数に散らばる島を巡るアイランドホッピングの楽しみも瀬戸内で知った。そして、今年は、今まで想像したこともなかったクルーザーやヨットの世界へ足を踏み込むことになった。
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