昨日は参院選の投票に行き、夜は開票結果を見守った。
マスコミが勝手に作り上げた論調では、管が消費税増税を持ち出したのが民主党の敗因だと喧伝しているけれど、本当にそうだろうか?
ぼくは昨日、比例はみんなの党に入れ、地方区は社民党候補に一票を投じた。
いかにマニュフェストに忠実に自分たちの筋を通したか(社民党)ということ、そして、選挙民を愚弄しているとしか思えないタレント候補を擁立していない政党(みんなの党)という二点が主要な判断基準だった。
だけど、それは政党や候補者が掲げる政策に対して賛同するという本来の意味での投票基準ではなく、どちらかといえば、「ましなところはここくらい」という消去法でしかない…みんなの党に関しては、そのアジェンダには賛同できるところが多いが。
それは、昨年の衆院選挙でも同じだった。
自民党のどうしようもない硬直した体制にはうんざり。かといって、ここに政治を託してもいいという政党もない。だったら、どこがいちばんマシか? 政権党をとりあえず交代できる政党は…民主党ははなはだ頼りないけど、他よりはマシ。
もっともそれは、強烈なカリスマ性を持った党首に引っ張られて熱狂的に大衆が支持するファッショよりは「マシ」ともいえるのだけれど。
管の民主党は数字を落としたけれど、それは管の責任ではない。小沢の傀儡で何もできなかった鳩山のときにどん底まで落ち込んだ民主党をなんとか格好がつくまで回復させられたのは管だからこそだと思う。
比例区の名簿を「旧タレント・スポーツ選手名鑑」のようにしてしまい、国民を愚弄したのも管ではない。強いて言えば、真っ正直すぎた管が最後の最後でほんの少し票を取りこぼしてしまったのが残念だったということだろう。
参院選の結果が出て、「ああ、この人達こそ、ぼくたちの気持ちをはっきり代弁してくれているな」と思わせたのは、北野武とテリー伊藤だった。
北野武は、善戦したみんなの党の江田憲司に対して、「よく、安易にタレント候補なんか立てないで頑張ったね」とねぎらった。そして、「そもそも国会議員の定数が多すぎるからロクでもない候補者が出てきてしまうんだよ」と言い放った。中央省庁の官僚や職員、政治家も今の半分で十分だ。地方は、すでに市町村合併で、大幅な地方議員の削減をしているのだから、それを範とすればいい。
テリー伊藤は、今朝のテレビ番組で、「谷亮子がたくさん票を取って当選したけれど、谷亮子を擁立することで失った票のほうがずっと多いんじゃないか」とコメントした。民主党の管にシンパシイを持ち、もう少し政権党として頑張ってみてもらいたいと思いながらも、あの候補者名簿を見て、「国民をバカにするのもいいかげんにしろ」と憤慨した人はたくさんいると思う。
あるコメンテーターは、「そろそろ政局のことじゃなく、政策の話をしていきましょうよ」と、参院選特集のコーナーを結んだ。そう、そろそろ足の引っ張り合いはやめて、真剣に国の未来を考えてほしい。
「この国を住みやすい国にしたい」…タレント候補だけでなく、まっとうと思えるような候補者も、そんな当たり前のことを連呼していた。そんなことは全ての人間が考えている。政治家は、住みやすい国にするために、どうすればいいのか、それを具体的に考え、国民に提案して実践させるのが仕事。一から十まで、具体的な政策として形にしていかなければならない。
テレビでよく見る人気者を出せば、国民は喜んで投票する。タレント候補は政策についてなんて無知だから、自分たちの頭数に組み込んで操ればいい。そんなふうに考えている旧体制的な政治屋をまずはなんとしても排斥しなければならない。
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