今日の東京は梅雨明けを思わせるような夏空が広がり、一気に真夏日となった。
この数日、どんよりとした空模様に涼しい日が続いて、今年は冷夏かとも思ったが、今日の照りつける日差しを浴びると、またこの数年続いている酷暑がやってくるような気がする。
2007頃に登場した、かいた汗を素早く気化して放射冷却で涼しくする"クーリングウェア"という発想も、温暖化で日本の夏が熱帯化してしまったための必然的なニーズともいえる。"クーリングウェア"と銘打ち、実際に高い放射冷却性能を実現したのは、ファイントラックの"ラミースピン"だった。
ラミースピンは、大汗かきのぼくにとって、真夏に手放せないクロージングとなったが、これはランニングやMTBのように、汗をかきつづけながら続けるハードな運動の際には、飽和状態になった生地が体にまとわりつくケースがあった。それを防ぎ、常に肌へのタッチが柔らかで放射冷却性能も高いクロージングをというニーズから生まれたのが、このドラウトエアだ。
ドラウトエアは、非常に軽く、薄いのが特徴で、メンズのジップネックTシャツでわずか86gしかなく、畳んでまとめれば片手で握り締められるくらいの大きさになってしまう。ラミースピンのジップネックTシャツが190g、軽くて自然な着心地が人気の某社のオーガニックコットンのTシャツが147gだから、際立って軽いのがわかる。
実際に着用すると、ドラウトエアのネーミングのごとく、まるで優しい風を纏っているように感じられる。極細のポリエステル糸とそれよりやや太い糸を織り交ぜてリップストップ状にされたニット生地は、超軽量でありながら伸縮性に富み、かつ、強度も優れている。細糸と太糸の凹凸断面が肌に当たる側にあり、表は平坦化されているので、ピンポイントで肌に当たった繊維が毛細管現象で汗を素早く吸い上げ、表面積の大きな表面でいち早く拡散することによって、蒸散性を極限まで高めている。これが、肌は常にドライに保ちながらクーリング性を高める秘密だ。
ラミースピン生地は不快にならない程度の水分を繊維に滞留させることによって、放射冷却で冷やされた水分が肌からさらに温度を奪う。それは時として寒さを感じさせるほどだが、ドラウトエアは肌側は常にドライであるため風を受けて過冷却となることはない。炎天下でランニングやサイクリングをしていて、風を受けても爽快に運動を続けられる。
今年の夏は、ハードなスポーツではドラウトエアを、タウンウェアにラミースピンと、使い分けて、どんな状況下でも涼しい顔をして過ごそうと思う。
**ジップネックは、環境変化に合わせて空気の流通量を調節できるのがいい**
**極薄かつ非常に伸縮性に富んだ繊維。まとわりつきや体の締め付けがなく、まさに空気をまとっているようだ**
**畳むと 片手に収まってしまう。このジップTシャツで重さわずか86g**
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