今、日本ではエコ意識の高まりなどの後押しもあって、空前ともいえる自転車ブームを迎えている。
自分自身、最近はけっこう離れた場所までも移動手段として自転車を使うことが多くなり、先日インプレッションしたヤマハPASや、 今度インプレッションする予定のスペシャライズドのニューモデルなど、試乗やインプレッションの機会も増えている。
もともとMTBやロードバイクをかなり本格的に走らせていたので、コンペティティヴな自転車の楽しみも理解しているが、 今はどちらかといえば、シティコミューターとしての可能性やツアラーとしての使い方に興味がある。
今回紹介するGPSは、サイクルコンピュータとしての機能を満たした上で、 カーナビのようにルーティングが可能な日本詳細地図を搭載した本格的なサイクルGPSともいえるもので、これも、 爆発的なヒットとなっている。
この"GARMIN Edge(ガーミン エッジ)705日本版"は、 昨年のツールドフランスガーミンチームが全車に搭載して評判を呼んだ"GARMIN Edge705"を日本語化し、 2.5万分の1詳細地図を内蔵したもので、この本体に、サイクルトレーニングでは必須のケイデンスセンサー、 ハートレートモニターをセットし、さらにトレーニング管理を効率的に行える"トレーニングセンター"ソフトなどを盛り込んだもので、 アメリカでの本体価格が$600あまりのところへ、セットで10万円を切る戦略的な価格でリリースされた。
Edgeシリーズはサイクリング専用モデルという位置づけで、ハンドリングなどに影響を与えないよう、この705は幅5.3cm x 高さ10.2cm x 厚み2.5cmに110gという一般的なサイクルコンピュータとほとんど変わらないサイズと重さにまとめられている。 電池は充電式のリチウム電池が採用されて、これもコンパクト&軽量化に一役買っている。通常使用で15時間あまりのバッテリーライフで、 ナビゲーション、ケイデンス、ハートレートとフル稼働させても7、8時間は連続稼働する。
トレーニングデータや走行ログは内部メモリーに保存できるほか、 microSDスロットを備えているのでそこにも蓄積可能となっている。 標準で付属のmicroSDカードには日本詳細地図データが格納されているので、すでに2GB容量の半分くらいは使用されているが、 新たに大容量のmicroSDカードを入れて、DVDから地図データを転送してやれば、大容量のデータロガーとして使用可能だ。
自分のトレーニング目標をあらかじめインプットしておくと、その設定に基づいた「バーチャルトレーナー」 が実際の走行状況との差を表示したり、 ハートレートが異常に高まったときに自動的にアラートを出す機能など高度なトレーニングにも対応した機能が盛り込まれている。
また、スポーツ機器用ワイヤレス通信規格"ANT+Sport"をサポートしているので、 Edge705どうしでルートデータなどが手軽に共有できる。
オペレーションは、フロントと両サイドに配置されたファンクションキーと、 コンパクトアウトドアGPSのeTrexシリーズで定評のクリックスティックによって走りながらでも片手で多彩な機能を呼び出すことができる。
今のところ自分のニーズではトレーニング機能は必要としていないが、単純にGPS・ ナビゲーターとして使いやすく、これなら別売りのTOPO(地形図)を格納して山行にも支障なく使えそうだ。ただ、長い山行となると、 他のハンディGPSのシリーズが乾電池で使用できるのに対して、Edgeは充電式であるため、 どこかでAC電源からの供給をしなければいけないという問題が出てくる。
サイクリングはトレーニング主体でたまに日帰りの山行にも使いたいといったニーズなら最適だろう。
**Edge705日本版本体の他に、ハートレートモニター、ケイデンスセンサー、 シティナビゲーター(日本詳細地図)DVD、トレーニングセンターソフト、サイクルマウント、PC接続ケーブル、 AC充電ケーブルと、これだけでサイクリストのすべてのニーズがまかなえるセットになっている**
**ハンドルにマウントしても、携帯しても非常にコンパクトで邪魔にならない**
**上から、「地図モード」、「コンパスモード(電子コンパスを搭載しているので、 静止状態でも正しい方位を示す)」、「高度計モード」、「トレーニングモード」**
**本体右側には地図のズームイン、ズームアウトと日本語入力の切り替えボタン、 メニュー呼び出しボタン**
**フロントには、スタート&ストップボタンとラップボタン、 それにカーソルを操作するためのクリックスティックが配置されている。慣れれば、 ワンハンドですべての操作が的確に行える**
**サイクルマウントはタイラップで固定する。ハンドルバーに直接セットする他、 90度向きを変えて装着もできるので、ステムバーに固定することもできる。本体はマウントに横からスライドする形で装着する。 重量が110gと軽量なため、ハンドル操作の邪魔にならず、また振動にも強い**
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