肌に密着した極薄の撥水ベースレイヤー「フラッドラッシュスキン」と、インナーからアウターまでマルチに使用でき、 やはり極薄ながらフリースにも匹敵する保温性能と快適性を備えたミッドレイヤー「ブリーズラップ」をひっさげて、 アウトドアクロージングの世界に革命を起こしたファイントラック。
幸運にも、そのファイントラックが最初のこの二つの製品をリリースした年に、ぼくはファイントラックと出会い、誰よりも早く、 その製品性能の高さを実感することとなった。
そして、ラインナップされたほとんどの製品を実際に自分で試し、今では愛用品となっている。
なかでも、マルチミッドレイヤーの「ブリーズラップ」は、あらゆるアウトドアシーンでとても重宝に使え、 時にはタウンユースでも愛用して、もっとも使用頻度の高いアウトドアクロージングとなっている。
表地が15デニールのナイロン糸を高密度に織ったリップストップトリコット地を使い、 裏は肌触りが自然で滑りのいいトリコットハーフ、そしてストレッチ性に富んだPU透湿フィルムをラミネートして、 極薄で丸めると片手に収まるほどコンパクトになり、たった210gの重さしか持たない。
印象としては、薄いウインドブレーカーといった感じの「ブリーズラップ」だが、保温性と透湿性を兼ね備え、 ミッドレイヤーとして使用すれば、フリース並みの保温力を持つと同時に、汗をかいてもフリースのように不快な濡れ戻りをすることがなく、 またロフトがなく伸縮性に富んでいるために、激しい動きを妨げることもない。
また、表面の撥水性も高いので、少々の雨ならそのままレインウェア代わりとしても使用できる。ただし、軽快さを失わないために、 あえてシームシーリングは施されていないので、風雨が強い時や長時間に渡るレインウェア代わりの使用はできない。
2005年のスノーシューツアーで、昼間はアウターとして使用し、 朝夕にはミッドレイヤーとしてフリースの代わりにブリーズラップを使用した。それが使い初めで、その後、 夏場の高所でのウインドブレーカーとして、MTBや登山のときのアウターとして、さらに積雪期のミッドレイヤー、アウターとして、 この冬で4シーズンを迎える。
他のフリースやアウターは2、3シーズンでかなりへたってしまい、新しいものに代わっているが、 ブリーズラップは酷使してきたにもかかわらず、まだ目に見えるへたりもなく、性能も十分発揮している。
第一印象では、たしかに性能は目を見張るものがあるが、その軽さとコンパクトさから、 耐久性のほうは他のクロージングと同等かあるいはそれ以下と感じたので、ここまでタフだとは意外だった。
メンテナンスも、無造作に他の洗濯物と一緒に洗濯機で洗ってしまっているし、 撥水スプレーをときどきかけるといったこともしていないので、あまりいいユーザーともいえない(笑)。
**厳冬期でも日差しのある日中ならアウターとして、 日差しがない風雪の際はフリース代わりのミッドレイヤーとして着用するとちょうどいい**
今では、ファイントラックはあらゆるシーンに合わせてレイヤードで対応できるラインナップを揃えているが、「創り手=遊び手」…… アウトドアアクティビティのプレーヤーとしての自分たちがもっとも欲しいアウトドアクロージングを創出するというファイントラックの製品コンセプトを端的に実感できるブリーズラップは、 ファイントラックというブランドを初めて試す人にはお勧めだ。
**細い生け垣の枝に掛かってしまうほど軽量。まさに羽衣のような着心地**
**フロントとポケットのファスナーは防風・ 防水性を考慮してコンシールタイプが使われている**
**4年あまり、かなり酷使してきたのに、撥水性は衰えていない。 ほとんどメンテナンスらしいメンテナンスをしていないのに、この性能を維持しているのは驚きだ**
**脇の下には、大きな開口部が設けられていて、気温変化や発汗の度合いに柔軟に対応できる。 ここに使用されているのもコンシールファスナーで、防風・防水性が高い**
**袖口は、手の動きに制約を与えず生地が擦れたりもしにくいようにベルクロが斜めにカットされている。 こうした細かい部分に、アウトドアアクティビティのエキスパートが、 自分の欲しい性能のウェアを創っているということを実感させられる**
**軽量・コンパクトで伸縮性が非常に高く動きを制限しないという「基本性能」をスポイルしないために、 あえてシームシーリング(縫い目の目止め処理)はされていない。風雨が強いときはレインウェアとしての使用はNGだが、 弱い雨ならシェルの撥水処理だけで十分な効果を持っている**
注) ここで紹介したブリーズラップジャケットのアップルグリーンは、 現在のラインナップカラーにはありません。
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