朝、目覚めて窓を開けると、近所から不思議な物音が聞こえてくる。バサバサッ、バキッっと枝お打ち据えるような音がして、その後に、 熊手で地面をこするガリガリいう音、さらに、硬い球体をバケツか何かに転がす音。
表をうかがっても、実態は見えず、いったい何事だろうと思いながらしばらく聞いていると、それは懐かしい音であることを思い出した。
青梅を枝から落とし、熊手でかき集め、ブリキのバケツに移す。集めた梅の実は、一部をホワイトリカーと氷砂糖につけて梅酒にし、 残りはシートに広げて梅干にする。
それは子供の頃のなかなか楽しい作業だった。
梅や柿、スモモ、巨峰等々、庭には季節毎に楽しみをもたらしてくれる木があった。そして、小さいながらも畑では、 一家五人が十分楽しめるだけの野菜が収穫でき、鶏を飼って毎朝新鮮な卵をいただいていた時期もあった。
加工食品の偽装やら危険な添加物やらが次々に見つかる今の時代、100%安心できる作物が身近にあり、かつ、 それらが季節をはっきり感じさせてくれたあの時代は、じつはとても豊かな時代だったような気がする……。
>モリさん
コメントありがとうございます!
「不便さの豊かさ」……これからの時代のキーワードになりそうですね。
高度経済成長以降、「不便」はいけないことのように思われてきた気がします。でも、「不便」だからこそ、お仕着せの何かに頼ってしまうのではなく、自分で工夫するということが、じつはとても「豊か」なことじゃないかなと思います。
自分で使える時間がたっぷりあることの豊かさ、自分の創意を試せるだけの心の余裕……子供の頃、自家製の梅酒や梅干を作って、それも自家消費分以上を作って、近所に「おすそ分け」しましたけど、近所からもおすそ分けが回ってきて、人情も豊かでしたよね。
子供の頃の自分が暮らした環境やコミュニティをまた再現できたらと思っています。
今月は、18日からまた白馬に伺おうと思っています!!
投稿情報: uchida | 2008/07/06 17:35
内田さん、こんばんわ。
先日、我が家でも頂き物の梅をホワイトリカーに漬け込みました。
これからは、不便さの豊かさを楽しむのダーーー。
と、思っている今日この頃です。
投稿情報: モリ | 2008/07/04 21:05