■アウトドアギアの概念を次々に塗り替えるエクストリームギアメーカー■
finetrack -ファイントラック-
**finetrackのめちゃくちゃアクティヴで明るい面々。中央が社長の金山氏で、 匂いや味からアパレルや各種ギアの素材を分析してしまうという凄い特技!?を持つ。左が営業の上野氏、右がマーケティングの橋本氏。 三人ともトップクライマーであり、ホワイトウォーターカヌーやシーカヤックの第一人者であり、 なんといってもアウトドアが大好きというエクストリームプレーヤー。「自らが必要とするギアを自らで生み出す」というポリシーの元、 凄い性能のギアを次々と生み出している。ちなみに、この夏の社員旅行は、 知床半島一周シーカヤッキング**
今、世界的に注目を集めているアウトドアメーカーが神戸にあります。
ベースレイヤー=肌に密着する第二の皮膚ともいえるアンダーウェア(finetrackでは従来の 「アンダーウェア」という用語を用いず、ウェア内気象を機能分けして、「ベースレイヤー」「ミッドシェル」「アウターレイヤー」と呼ぶため、 一般的なアンダーウェアという言葉はつかいませんが、ここでは、あえて馴染みのある言い方をしています)に、 撥水性のあるポリエステルメッシュを用いて、吸い出された汗がまた肌に戻ってくる「濡れ戻し」という現象を解消して、 まさにアウトドアウェアに革命をもたらしました。
冬山などの厳しい気象条件の下では、
1.肌を常にドライに保つ=アンダーウェア
2.アンダーウェアから効率的に汗を吸い上げ、外に排出するとともに、 乾いた暖かい空気層(デッドエアー)を保持する=インナーウェア
3.冷たい外気をシャットアウトし、デッドエアーが排出されるのを防ぐ=アウターシェル
の三つを組み合わせて、快適な行動条件を保ちます。
これをレイヤード(重ね着)というわけですが、つい最近までのレイヤードシステムは、 クロロファイバーなどの吸水蒸散性の高いアンダーウェア+水分の蒸散性が高くデッドエアーをためやすいフリースあるいはダウンのインナーウェア+ゴアテックスファブリクスなどを使用した耐候性の高いアウターシェルという組み合わせが一般的でした。
**ベースレイヤーに革命をもたらし、次々に大手が追従する製品を送り出してきた「フラッドラッシュスキン」をさらに軽く、薄くして、 限りなく皮膚に近づけた「フラッドラッシュ・スキン・メッシュ」。非常に伸縮性が高く、激しい動きもまったく妨げない。例えば、 シーカヤッキングで転覆してもシャワークライミングで滝に打たれても、 外はいくら濡れても肌はドライに保たれる**
この今までのレイヤードシステムでは、確かに暖かさは確保できるのですが、 このままクライミングやバックカントリースキーなどの激しい動きを行うと、大量の汗をかいて、 それがインナーウェアの部分で飽和状態となってしまい、肌が濡れる「濡れ戻し」が起こってしまいました。
これを防ぐためには、こまめにインナーウェアを脱ぎ着する必要がありました。 ところがエクストリームなアクティビティの最中に……例えば微妙なバランスで立っている氷壁の途中など…… ウェアを脱ぎ着するのは大変な作業であると同時にとても危険でもあります。しかも、肌が濡れたままにしていては体温を急速に奪われ、 あっというまに体力を失ってしまいます。
finetrackのベースレイヤーである「フラッドラッシュスキン」は、 極薄のポリエステルメッシュに撥水加工されているために、この肌に戻ろうとする水分をまさに「薄皮一枚」のところでシャットアウトして、 体温を奪われるのを防いでくれるわけです。
**finetrackのレイヤードシステムで構成された厳冬期のレイヤード。 ベースレイヤーにフラッドラッシュスキンメッシュ+スパイルフィル、サーマルレイヤー(インナー)にドラウトセンサー、 そしてミッドシェル(アウターシェル)にブリーズラップ。見た目、夏山装備にも見えるこの組み合わせで、 氷点下25℃の環境でも快適に行動できる。これらトータルの重さは599g……ボトムは別、 驚異的に軽い!! しかも全てのアイテムが高い伸縮性を持っているので、 激しい動きもスポイルされない**
finetrackはこうしたベースレイヤーに特化したメーカーではなく、 レイヤード全般を視野に入れた開発を行っています。社長の金山氏は長年大手メーカーで新素材を中心としたクライミング、マリンギアを手がけ、 自身が様々な記録を持つトップクライマー。その金山氏が、 より極限を目指す自分や仲間たちのために納得のいくギアを作りたいという情熱をぶつけたメーカーがfinetrack。 その最初のプロジェクトがレイヤードシステムの刷新だったわけです。
まず、冬山という厳しい環境で、このレイヤードシステムは威力を発揮しました。何しろ、薄く、軽く、 活動しやすい。しかも保温性にも優れているのですから、クライミングやバックカントリースキーにも最適です。 ぼくも冬の北八ヶ岳でこのレイヤードシステムを試し、周囲の人たちがフリースやダウンをインナーに着込んでもこもこなのに、 こちらは夏山同様の薄さで、しかも誰よりも涼しい(暖かいといったほうが正解ですね)顔していたものですから、「おまえは超人か!?」 と驚かれたものでした。
また、「肌が濡れるのを防ぐ」という特性は、マリンスポーツでも威力を発揮します。
シーカヤッキングやホワイトウォーターカヌー、 シャワークライミングといったシチュエーションでは冷水でずぶ濡れになることも多々あります。そんなときでも、水中から出ればたちまち排水・ 撥水、乾燥されてしまうので涼しい(暖かい)顔をしていられます。
**マリンスポーツで絶大な威力を発揮するフラッドラッシュシリーズ**
今年の展示会では、従来のラインナップの性能を強化したものの他に、 来春にリリースを予定している秘密兵器も見せてもらいました……この秘密兵器は、クーリング性能が際だつ、 まさにクールビズ向き!?の製品です。とりあえず、季節的には「ウォームビズ」ならぬ「ウォームアウトドア」、 まさにfinetrackはうってつけです。
**左は繊維の揃ったメリノウールにポリエステル糸をスパイラルした「スパイルフィル」。 高い吸汗拡散性をそなえる。真ん中は吸汗拡散性とともに高い保温性をそなえた「ドラウトセンサー」、 そして軽くストレッチ性の高い防風透湿素材を用いた「ブリーズラップ」。 レイヤードシステムの中核アイテム**
**finetrackはウェアだけでなく、クライミングロープ、フローティングロープ、 ツェルト(簡易テント)、タープなどもリリースしている**
[参考]
■finetrack
http://www.finetrack.com/index.html
■アウトドア・ベーシック・ テクニック テクニック編 ウェアリング
http://obtweb.com/technic/step03.html
田邊さん
ご指摘ありがとうございます。さっそく、finetrackのほうに伝えておきます。
繊維には表と裏がありまして、こうしたベースレイヤーでも表面と肌に当たる側では撥水処理が異なっていますので、裏返して着用すると、繊維性能が十分に発揮できないこともあります。
タグ類が邪魔なようでしたら、剥がしたり、こそいだりして、着用されることをお薦めいたします。
投稿情報: uchida | 2008/01/16 10:52
60代女性です。先日フラッドラッシュスキンメッシュのTとロングスリープ.ブラジャーを買いました薄くて軽く暖かいので非常に気に入ってますが一つ難点が有ります商標と品質表示が裏の背中の中央に貼り付けています肌の弱い私にとってそれがとても痒いし違和感があります仕方が無いので裏向きに着ていますが出来たら表側の裾の処に付けたらどうでしょうか?友達もそれを気にしていました。是非改良してください。
投稿情報: 田邊 | 2008/01/16 10:37