いつもお世話になっている祐天寺の「スペースU」にて、レイライントークライブの第二回を開催した。
今回は、平安京と江戸の風水を中心に、陰陽五行説や結界という考えをどのように具体的に大地に配置していったかを、 GPSで測地したデータを元に克明に紹介するつもりでいたが、5日前に亡くなったWさんとの出会いの話を枕して話し始めると、何故か話題は 「土地に呼ばれる」ということに傾いていってしまい、気がつけば丸々3時間が経ってしまっていた。
「平安京と江戸の風水とレイライン」というタイトルで集まっていただいたのに、肝心のその話は半分もできなかったが、かえって、 意外な話題に喜んでいただけたようで、ライブを終えて振り返ってみると、 今回は亡くなられたWさんも聴きにきていてくれたのかなという気がした。
そもそも、このスペースUとのジョイントで今回のようなイベントをさせていただくきっかけとなったのが、 とある食事会でスペースUのFさんと出会ってレイラインの話をしたのがきっかけで、そのとき、Wさんとも初めてお会いしたのだった。
7日のコラムにも書いたが、その時の出会いが、Wさんとは沖縄で酒を酌み交わし、仕事も手伝っていただく形にまで発展し、 Fさんとは、こうしてトークライブを開かせていただくことになったわけで、あの食事会は、 ぼくにとってとてもエポックメイクな出来事だったわけだ。
Wさんにも手伝っていただいた沖縄取材のときには、今帰仁城で沖の島に向かって祈る人たちに不思議な感銘を受け、 彼らが祈りを捧げる伊江島という土地が妙に印象に残った。
ある土地に興味を持ったり、なんとなく魅かれると、必ず、その土地に呼び寄せられていく……そんな自分の体験を「土地に呼ばれる」 とぼくは表現している。
今まで、レイライン探索の対象として選んできた土地は、全て、ぼくがその土地をイメージすると、 その土地に関わりのある人から連絡をもらって招かれ、現地で意気投合して、調査が進んでいくというプロセスを辿っている。
伊江島には、まだ足を運んではいないが、「伊江島」という名に強い印象を持って帰ってきて、しばらくしたら、 人の紹介で伊江さんという女性を紹介され、出自を聞くと、まさにあの伊江島の出身で、しかも島のノロの血筋の人だった。
「レイライン」という、実際にはそれがあるのかないのかも定かでない大地に引いた仮想の線を辿ることで、 ぼくは知的好奇心を十二分に満たし、ゲームとして十分楽しませてもらっているわけだが、それだけではない、理屈では割り切れないそうした 「出会い」の連鎖が起こっていくことがまさにレイラインハンティングの楽しみの神髄なのではないかと最近感じている。
それは、突き詰めてみれば、「旅の楽しみ」、「旅の神髄」と言えるのかもしれない。
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