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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.252
2022年12月15日号
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◆今回の内容
○龍=ドラゴンとは何か
・大天使ミカエルの聖地
・カオスの象徴としての龍
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龍=ドラゴンとは何か
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SNSでは、時々、龍の形に見える雲の写真をあげて、「龍神様が空に!」と吉祥の印としてとらえて喜ぶ様子が見られたりします。私は山ヤの端くれでもありますし、それを見ても「巻層雲の流れが速いから、だんだん天気が崩れてくるな」としかとれないのですが(笑)。
それはともかく、「龍」という想像上の動物(神・魔物)の捉え方は、東洋と西洋でまったく逆なのが興味深いところです。西洋の人が、高層の気流が描き出した雲の写真をSNSにあげて、「ドラゴンが空に現れた!」と書いているのは見たことがありません。仮に雲がドラゴンに見えたとしても、彼らはドラゴンをネガティブな意味でとらえていますから、あえてそれを載せようとは思わないだろうし、そもそもネガティヴな連想をしたことを不吉に思って、忘れようとするでしょう。
私が長年研究テーマにしてきたレイラインでは、もっとも有名なレイラインとして<セントマイケルズライン>があげられます。セント・マイケルは英語読みで、西洋世界で一般的な呼び名は「セント・ミカエル」、ユダヤ教の黙示録を起源とする神の民の守護神「大天使ミカエル」のことです。そして、このミカエルは龍退治で有名なのです。
西洋世界では、龍は混沌や悪の象徴であり、それはまた自然の猛威を表しています。人間が文明社会を築いて行く際、それは鎮められ制御されなければならない対象ととらえます。そこで、龍退治のエキスパートであるミカエルが登場するわけです。
中世の西洋絵画には、獰猛な龍を踏みしだくミカエルのモチーフがよく見られます。これを見ると、私はどうしても鹿島神宮にあるタケミカヅチのレリーフを連想してしまうのです。このレリーフは、地下で蠢いて地震を起こす大ナマズを踏みしだく勇ましいタケミカヅチの姿を表現したもので、鹿島神宮奥宮の裏手にある要石が、大ナマズを押さえつけて大地震を防いでいるという伝説を元に、要石を祭神のタケミカヅチに置きかえて表現したものです。
龍と大ナマズという違いはありますが、それをともに自然の猛威の象徴であると考えれば、二つのモチーフはまったく同じことを表しているといえます。
龍に対するイメージは真逆なのに、ユダヤ=キリスト教世界での最強の天使であるミカエルと日本神話での最強の神であるタケミカヅチは、ともに同じように自然の猛威に立ち向かって、これを組み伏せている。この背反性と共通性の背後には、いったい何があるのでしょうか。今回は、西洋における龍=ドラゴンのイメージから、それを掘り下げてみたいと思います。
●大天使ミカエルの聖地●
まず、レイラインの代表例としてあげられる<セントマイケルズライン>とはどのようなものなのか、私が著作やサイトで解説している内容から引用してみます。
「レイラインの中でもっとも有名なものは、イングランドを北東から南西に横断する<セント・マイケルズライン>と呼ばれるもので、このラインを発見したのは古代史研究家のジョン・ミッチェルだった。
彼が1969年に刊行した『アトランティスの記憶』の中でこのセント・マ イケルズラインが紹介され、第二次世界大戦を挟んでに一時沈静化していたレイハンティング熱を再び呼び覚ますことになった。
ミッチェルは、サマセットにある二つのマウンド…バロウブリッジ・マンプとグラストンベリー・トールを結ぶラインが、メイデイ(五月祭)の日の出の方向に一致するのに気づいた。どちらの丘も、その頂上に中世のセント・ミカエル教会があった。
地図上でこのラインを伸ばすと、その線上 にはセント・ミカエルを祀った教会かドラゴン伝説と関連する場所が並んでいた。
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