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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.206
2021年1月21日号
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◆今回の内容
○陰謀論について
・悪魔崇拝(異端)の恐怖を煽ったQアノン
・イルミナティ・新世界秩序
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陰謀論について
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日本時間の今朝1時過ぎ、噂されていた暴動やテロもなく、無事にアメリカ大統領就任式が行われました。レディ・ガガによる力強い国家斉唱をメインに、アメリカという国の根幹である「多様性」を象徴する前政権時代を一新するセレモニーでした。
トランプ政権は、議事堂への暴徒の突入という、誰も予想していなかった事態の勃発によって、実質的に終焉し、これでようやく悪夢から覚めたかのように、今朝の就任式へ向けてアメリカ議会も団結して粛々として進んでいきました。
一人の狂信的な指導者が国を率い、悲劇的な結末に至ったケースは、過去にも多々ありました。アフリカやアジア、中南米の弱小独裁国家はもとより、ヒトラー・ナチスのドイツ、スターリン時代の粛清の嵐が吹き荒れたソ連、毛沢東晩年期の文化大革命から四人組裁判へ至るまでの中国といった大国の例もあります。
その多くは、根拠のない、あるいは捏造された陰謀論を根拠に、社会を分断し、恐怖を掻き立てて社会不安を煽ることで独裁権力への依存を仕向けるもので、トランプ政権も、まさにそうした例の典型でした。せめてもの救いは、他の例のような破局をかろうじて迎えずに澄んだということですが。しかし、新型コロナ対応を怠ったことにより、すでに40万人もの人が犠牲になったことは、とても看過できるものではありません。
私は、聖地の成り立ちやそのバックボーンとなった信仰などを研究しているわけですが、この世界では、陰謀論やその裏付けとされる偽書や偽史に頻繁に出くわします。古今東西どこでも、そしてどんな時代でも、聖地や信仰にまつわる話は、陰謀論とセットになっていることがほとんどといっていいくらいです。
ですから、研究にあたってまず精査するのは、由来や資料の信憑性であり、また偽書や偽史に行き当たれば、今度はそれを研究対象として、捏造された意図や時代背景を探っていくことになります。それが聖地の本質を知る上で、重要な仕事となってきます。
そんなこともあって、まさに陰謀論に彩られているといってもいいトランプ政権下のアメリカ社会を注視していました。
ちょうどいい機会というのも変ですが、今回は、そんなことも踏まえて、トランプ政権が土台にした陰謀論を入り口にして、一部は今でもはびこる様々な陰謀論について触れてみたいと思います。
●悪魔崇拝(異端)の恐怖を煽ったQアノン●
ヒラリー・クリントンとトランプが闘った前回の大統領選挙の際、トランプ陣営の選挙対策チームはニュヨークのトランプタワーの一室に陣取り、ソーシャルネットを駆使した選挙戦を展開しました。
その際、ネオナチやKKKなどに賛同する「オルタナ右翼」と呼ばれるソーシャルネットで展開するグループと連携し、様々なプロパガンダ工作を開始します。
最初は、オルタナ右翼が集まるソーシャルニュースサイトRedditの中に「TheDonald」というサブレディット(特定のトピックの議論を目的とするオンライン・グループ)を作り、そこで、「秘密の話」として、クリントンの選挙対策本部長はワシントンのピザ店を根城にする小児性愛者の集団とかかわっているという噂を流しました。
この噂は、オルタナ右翼の中で回覧されていくうちに、「真実」として信じられるようになり、限定されたレディットから主流のソーシャルネットやWEBへと流れていきました。そして、またたくまにネット上に膾炙し、スキャンダラスに「ピザゲート」と呼ばれるようになりました。
さらに、トランプ政権成立後の2017年10月、「Q」というハンドルネームの人物が、匿名画像掲示板の4chanに、ピザゲートを脚色した一連の書き込みをしていきます。
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