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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.196
2020年8月20日号
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◆今回の内容
○喪の仕事と再生
・都市の盛衰
・喪の仕事
・すべては物事の捉え方
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喪の仕事と再生
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梅雨明け以降、厳しい暑さが続いていますね。
今、これを書いているのは、16日の15時をまわったところですが、現在の都内の気温は34.3℃で猛暑日一歩手前となっています。私が暮らす茨城県の鹿島灘沿岸では29.3℃、ちょうど5℃都内よりも低い気温です。二階のベランダにキャンピングテーブルを出して、気持ちのいい風に吹かれているので、体感温度はさらに2、3℃低いですから、都内に比べれば別天地です。
コロナ禍に見舞われて以降、テレワークが主体となって、今まで都内まででかけていたミーティングもここにいながらでできて、フィールドワークは別として、少なくとも私のデスクワークの環境は今までよりも格段に合理的で生産性も高くなりました。
早朝か夕方の涼しい時間帯には、広々とした海岸でジョギングして汗を流していますので、コロナによる自粛もあまり関係なく、ストレスレスで健康的な日常生活を送っています。
今までは、ここと都内の二ヶ所に拠点を構えて仕事をしようと思っていたのですが、都内での要件がほとんどなくなったので、拠点はこの田舎だけで十分かなと思っています。
3月にコロナ禍が始まって以降、世間の関心は、今後のコロナ禍の行方と、それによって変わる生活スタイルや価値観の変容が中心になっています。この講座の内容も、私自身が、最近、それを強く意識していることもあって、どうしてもそうした話が主体になっていますが、こうした状況を突きつけられている以上、仕方のないことと理解していただけるとありがたく思います。
なんだか手前ごとのような始まりになってしまいましたが、今回は、これまでの大きな社会の変動期に、人がどのように行動し、また対処してきたかを歴史を紐解いて振り返り、聖地学…というか宗教心、信仰心との関わりから見ていきたいと思います。
過去に、今回のパンデミックのような事態に直面した人たちの中で、その危難を克服し、以前よりも意識を高めていった人たちのあり方を参考にしたり、その対処方法を知ることは、今現在厳しい状況に置かれた私たちにとって、参考になるとともに、大きな励ましにもなると思います。
●都市の盛衰●
今回のコロナ禍では、人口が集中した都市がいとも簡単に機能不全を起こしました。「都市の生活には奢侈がつきもので、奢侈に慣れた人間は連帯意識も向上心も弱まる。欲望や快楽を重視して道徳性が弱まる。都市の王権は、従属することに慣れ、自立心や勇気や抵抗力の乏しい人間を増大させる」。これは、消費生活に浸りきった都市住民が、噂に翻弄されて買い占めに走ったことを揶揄し、また政治のあり方に対する警句として、現代の政治家が話した言葉のようですが、じつは、14世紀の歴史家イブン・ハルドゥーンが、その著書『歴史序説』に記したものです。
ハルドゥーンは、さらに次のように言葉を繋ぎます。「もし、支配が穏便で正しく、権力や禁令によって強制することがないならば、被支配者は自身の持つ勇気の度合いによって自立の気風を示し、抑圧するものがないことに自信を持つ」。民主主義に反するような圧政が世界各地で進行している現代にあって、まさに時宜に即した提言のようです。
ハルドゥーンは、1332年に今のチュニジアのチュニスに生まれました。裕福な家庭に育ったハルドゥーンは、幼少のときから利発な子で、チュニスの学者たちからイスラーム法学、伝承学、哲学、作詩などを学んでいきました。
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