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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.185
2020年3月5日号
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◆今回の内容
○建築と聖地
・大黒柱
・神明造りの二重構造
◯お知らせ
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建築と聖地
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先月の後半から日本でも始まった新型コロナウイルスのドタバタで、社会は混乱を極めていますね。個人的にも、15年目を迎える予定だった若狭のお水送りのツアーや春分の日のいわきでのツアーが中止になるなど、大きな影響を受けています。
今回は、ウイルス自体の毒性は低く、中世のペストのように人類の三分の一が死亡するようなカタストロフィに繋がることはなさそうですが、見方を変えれば、そうした脅威が登場したときに、今の人類でも対処する術はないのではないかということを露呈したようにも思います。
NASAのゴダード宇宙センターでは、大気汚染監視衛星を用いて地球の大気汚染の推移を観測していますが、新型コロナウイルスの猛威によって、封鎖された武漢周辺で大気汚染物質である二酸化窒素(NO2)の濃度が著しく低下したと発表しました。担当者は、「観測を初めて以来、大気汚染物質の低下を観測したこと自体が初めての経験であり、しかも短期間でここまで著しく低下することに驚いている」とコメントしています。
オーストラリアで未曾有の山林火災が発生して、人の手での鎮火が困難とされていた(結局、豪雨によって自然鎮火しましたが)のも、記憶に新しいところですが、近年増えている異常気象も、人間による環境破壊がどれほど大きいものかを突きつけられたように思います。新型コロナウイルスの発生も、元をただせば、環境破壊がトリガーになっているといえそうです。
今回のパンデミックは、今この時点で、これからの文明のあり方や経済の意味について真剣に考えなければいけないということを人類に突きつけているともいえるでしょう。いずれにせよ、これからの推移を冷静に見つめつつ対処していかなければいけませんね。
ところで、今回は、建築と聖地をテーマにしようと思います。第183回の最後の章も同じタイトルでしたが、そこでは、天体の動きを意識した聖地や大地が発する雰囲気であるゲニウス・ロキ(地霊)を意識した聖地について触れました。そこでは、いわばマクロな視点から、宇宙の営みや地球の営みと連動した聖地全体の構造について見たわけです。
今回は、同じ聖地でも、その内側の構造に目を向けて、どのような意味がそこに込められているのか、それが具体的に人とどのように関わるのかといった視点から、とくに日本の聖地=神社を取り上げたいと思います。
環境破壊やそれにともなう様々な災害、新しい感染症の発生と蔓延といった、今私たちが現実に突きつけられている問題も、その根本には、自然の営みから私たちの意識が切り離されてしまったことに原因していると思います。聖地の構造とそこに込められた意味を読み解くことは、再び自然の営みに意識を向けるということです。そんな思いも、今回だけでなくこの講座全体を通じてお伝えしていけたらと思っています。
●大黒柱●
最近は、というかもうだいぶ前から見なくなってしまいましたが、かつての田舎の農家の母屋には、かならず大黒柱がありました。また、これも死語に近い薄い言葉になってしまいましたが、一家の家計を支えるお父さんも「大黒柱」と呼ばれていました。大黒柱は家の中心にあるいちばん太い柱で、それが家を支えているからそんなふうに呼ばれたわけです。
大黒柱が腐ったり、折れたりしてしまえば、家全体が崩壊してしまう……そんなイメージがあります。ところが、建築構造からみると、大黒柱を取り除いてしまっても家はびくともしないのです。
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