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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.307
2025年4月3日号
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◆今回の内容
○聖地分析という仕事
・地形を見る
・秘教的なシンボルを探す
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聖地分析という仕事
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もうだいぶ更新を怠っていますが、私は「聖地観光研究所」というwebサイトを運営しています。そして、この「聖地観光研究所」という看板で、聖地にまつわる様々な仕事を請け負ってきました。その多くは、観光関連の受託で、福島県いわき市のようなもう10年以上も継続しているものもあれば、観光の一つの切り口としてレイラインを紹介する単発のものもありました。
コロナ禍が過ぎ去って、空前のインバウンドツーリズムがはじまると、こうした、長期的な見通しをもったその土地独自の文化・歴史観光といったものを開発するという案件には目が向けられなくなりました。営業的にいえば、観光関係に関しては、閑古鳥が鳴いているという状態なのですが、一方で、直接観光とは関係のない文化事業や個人からの依頼が増えています。
以前にも、とある企業の創業者一家の依頼で、居宅や墓地、それから工場の位置関係や建築の意匠について分析したことがありました。もうだいぶ前に亡くなった創業者が、風水や方位に関心があり、風水の研究家と懇意にしていて、居宅や墓地、工場を設置する場所やその構造、そして、引っ越しする際には、その引っ越し先をどこにするかを逐一、その研究家に相談していました。
創業者も風水の研究家もだいぶ前に亡くなってから、新たに宅地を購入して家を建てることになり、できれば創業者が行ったような方法で、場所を決め、建物を設計したいのだが、なんの記録もなくて途方に暮れている。ついては、調べてアドバイスしてくれないかという依頼でした。
まず地図測量的な分析をしてみると、居宅と会社はぴったり東西線上に並び、工場は会社の真北、そして工場と居宅は夏至の日出と冬至の日の入りを結ぶ二至ライン上にあることがわかりました。居宅の構造を見ると、桂離宮を模した雁行状の建築で、冬至の日出の光を建物全体に行き渡らせる形になっていることなどがわかりました。
また、細かいところに風水や陰陽道の意匠やシンボルが散りばめられていて、風水研究家の知識が非常に深いうえに、緻密に考え抜かれていることに感銘するほどでした。風水や方位など気にしなければ、用地の買収や建築で苦労はなかったはずですが、それにこだわったことで困難が生じたうえに費用も相当嵩んだはずです。それでも、風水研究家にすべて下駄を預けた創業者は、よほど信頼すると同時に、自身でもそうしたことの意義を強く感じていたのでしょう。
新しい事業を起こすパイオニアは、自分で世界を切り開いていくわけですから、参考にできる先例もなく常に孤独でしょう。人間は、何か基準を持っていないと自信を持って事を進められませんから、その基準として風水を取り入れる経営者もいました。明治から昭和初期にかけては、風水のような古来の地相占術のような伝統が、まだ色濃く残っていましたから、わりとポピュラーでもありました。
しかし、戦後の高度経済成長の中で、社会が急速に合理化していくと、そうした伝統は廃れ、知識や技術も忘れられていきました。私に依頼してきた創業者一家も、創業者が風水を援用して宅地を含む様々な用地を決定し、建物などにも風水を援用していたことは知っていたものの、それがどのようなものであったのかは、もうまったく知らなかったわけです。
ちなみに、その会社は順調に発展を続け、創業から100年余り経っても業界大手の座を守っています。また、跡継ぎにも恵まれて、家族は円満です。そうしたことがすべて風水や方位を気にしたおかげだとも思えませんが、会社も子孫も順風満帆であってほしいという創業者の想いが子孫にも伝わっているという点は大きいでしょう。
今、また、そんな仕事と同じようなプロジェクトが舞い込んで、いろいろシミュレーションしているのですが、こうした仕事は、どこか探偵仕事のようでもあり、なかなかエキサイティングです。今回は、個人ではなく行政の文化事業なので、物件は大掛かりですし、その物件に関わった人も多く、掘り下げれば掘り下げるほど、風水や陰陽道、さらには、それをとりまく歴史と文化が見えてきて、とても勉強にもなっています。
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