この一週間ほど呻吟していた企画が、ようやく自信の持てる形になった。いちばん苦労したのは、柱となる物語だった。
情報を集めることは誰にでもできる。
昔は、レアな情報を探すなら国会図書館に通い、通俗的な情報なら大宅文庫あたりに通って地道に探さなければならなかったし、そのための手間も費用も必要だったが、今はネットのおかげで、あるテーマのアウトラインを掴む程度の情報は検索ですぐに探せるようになった。
検索で浮かびあがった資料やキーワードを元に、今度は関連する図書を検索して、アマゾンにオーダーしたり、図書館のオンライン予約をしたりして、二、三日中には情報をより深く理解するための資料もあらかた集めることができる。
そうやって調べあげた情報を整理するのも、そんなに難しくはない。
集めた情報は、テキストデータとして整理するだけではなく、マインドマップやデジタルで操作できるチャートを使えば、よりわかりやすく可視化できる。
情報が整理できたら、それをもとに今度は実地に取材する。そして、取材で得た情報をリストに加え、さらにより深く理解しなければならないことが出てきたら、また資料を集め、それを読み込んで整理する。
ここまではルーティンの作業。難しいのは、そうやって集めた情報からストーリーを生み出すことだ。
情報が情報のままでは単なる断片に過ぎない。これを有機的に繋ぎあわせる魅力的な物語がなければ商品にはならない。ぼくが没頭していたのは旅行商品の企画だが、これはどんな物にも言える。工業製品でも、様々なサービスでもそうだ。
物語を紡ぎだす作業は苦しいけれど、物づくりの中でもっともやりがいのある部分だ。物語が盤石になれば、物はしっかりとした個性を持ち、自分もそれを自信を持って勧めることができる。
ぼくがどんな物語を生み出したかは、きちんと体裁が整ったら発表するので、お楽しみに!
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