昨日、「やまみちアドベンチャー」を主催するサイクリストの丹羽隆志さんから来年のカレンダーをいただいた。
四季折々、国内のシングルトラックや下町の横丁、のどかな畑道、そしてタイムスリップしたような素朴なチベットの農村、天の星が手を伸ばしたそこにある世界の屋根のキャンプサイトなど、ペダルを漕ぐことで展開していく楽しく美しい世界が12ヶ月分織り込まれている。
この一年もやまみちアドベンチャー謹製のカレンダーをデスクサイドに置いて、時々、その世界に想いを飛ばして気分転換してきた。
丹羽さんと出会ったのは、もう20年以上前のことだ。大学時代に世界各地を自転車で巡り、クライミングやバックカントリースキーヤーとしてもならしていた彼がアメリカでアウトドアガイドとして武者修業の何年間かを過ごし、日本に戻ってきたときに、アウトドア関係の書籍を編集していたプロダクションで紹介されて、意気投合した。
その後、彼は自転車でぼくは山とオフロードバイクと分野が違うので、一緒に仕事をしたりフィールドに出かけたりという機会はなかったが、たまたま4年ほど前、ある出版社が立ち上げたアウトドア関連のサイトで一緒に仕事をすることになって、旧交を取り戻したといった次第。
ぼく自身、モータースポーツから気持ちが離れて、また自然志向に回帰していたということもあって、今度は自転車話で盛り上がったり、彼の主催するやまみちアドベンチャーのツアーに参加して、ぼくが専門とするGPSナビゲーションを紹介するようになった。
昨夜は昔からの知り合いのデジタルコンテンツのプロデューサーも交え、丹羽さん行きつけの渋い天麩羅の店で盛り上がった。じつは二週間あまり前にも同じ面子でしたたかに酔うまで盛り上がったのだが……。
「縁の結び直し」とでもいえばいいのか、最近、丹羽さんとの例のように、昔の知り合いや仕事仲間で、長く交流のなかった人間と再接近して、仕事の話をする機会が増えてきた。
今までの縦割りの社会システムの中では、決まった分野の人間のコミュニティの中で仕事をすることが多かった。ところが、最近は、ユーザーも自分たち自身も興味が多様化し、分野を越えて専門分野とは違った視点から物事に取り組まざるを得ないようになってきた。そんな情勢が背景にはある。
丹羽さんのツアーに参加しても、カレンダーを眺めてみても感じるのは、彼が自転車を自然の中に身を置いたり、いろんな世界を体感するために使う一つの「道具」として見ているということだ。
どんな場面でも、自転車は主役ではなくて、何かを感じるための手段にすぎない。
彼は、テレマークなどのバックカントリースキーのエキスパートでもあるし、ロッククライミングや沢登りでもベテランで、本場のウエスタンスタイルの乗馬の心得もある。それらはすべて自然の奥深くに入り、自然と一体になるための手段で、彼にとっての自転車はそれらとまったく同格にある。
自然とディープに接したい、見知らぬ世界を見てみたいという気持ちから、様々な道具や手段を駆使して、あらゆる場所に出かけていくというのは、ぼくも長年やってきたスタイルで、たぶん、丹羽さんとぼくは求めているものがほとんど同じなのだと思う。だから、分野が違っても共感でき、会えば前後不覚になるまで飲んで盛り上がってしまう(笑)。
今、丹羽さんとは、新しいメディアでレーベルを立ち上げ、そこを共通の発表の場にしていこうと相談している。
また、彼のシングルトラックのツアーとぼくのツリーイングを組み合わせて、森を立体的に楽しむツアーを行なおうなどとも相談している。
既製の分野に囚われず、面白いことをどんどん展開していくので、乞うご期待!!
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