**これは、今発売中の最新号。健康な体作りには食も重要……そして、健全な精神も……ということで、 レイラインハンターのコンセプトが支持された?**
昨日は、夕方に銀座のマガジンハウスへ。"ターザン誌"の次号で拙著『レイラインハンター』を紹介していただけるとのことで、 著者インタビューを受けに訪ねた。
適当に雑談すればいいと思っていたら、担当の若い編集者木村俊介さんに案内されたのは地下のスタジオ。そこには、わざわざ、 本のカバーデザインに使った座標を結んだラインをアレンジしたセットが組まれていた。スタジオで撮影されるなんて想像していなかったので、 柄にもなく緊張してしまう。
それでも、フォトグラファー石原敦志さんの撮影は手際よく済んで、すぐに傍らで、ライター黒田創さんのインタビューを受ける。 仕事柄、スタジオ撮影もインタビューも慣れているはずなのだが、される側に回ると、どうもいつもと勝手が違い、 妙に多弁になってしまう(笑)。
しかし、三人とも20代後半から30代のスポーツ誌らしい若々しいスタッフなのに、神社やら神話やらが満載の拙著をよく読んで、 興味を持ってくれているのが不思議だった。
ツアーやトークライブを行うと、参加してくれる人の構成は、30代後半以上の女性が圧倒的に多く、 男性は50代以上がチラホラといった形になる。40代前の男性にはほとんどお目にかからないので、 その層にはあまり訴求しない内容なのだろうと勝手に思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
どこにどんなレイラインがあって、それが指し示すモノは何か、もしかしたらそれは埋蔵された宝なのではないか…… といったことよりも、レイラインハンティングの旅を続けてきて、ぼくの内面がどう変化したかといったほうに興味をもってくれたようで、 それは、モノ偏重の時代から「コト」が見直される時代へ変わってきたことを象徴しているのかもしれないとも思えた。
興に乗って話したために、予定をだいぶオーバーしてしまったが、荷物をまとめて立ち上がろうとしたところで、 機材の撤収をしていた石原さんが話しかけてきた。
「本の中に鹿島神宮の話が出てきますが、鹿島神宮のそばにある高天原という地名は、やっぱり朝廷が付けたんでしょうか?」
「高天原って、たしかにありますね。多分、鹿島の祭神が降臨した場所として、朝廷が名付けた地名だと思いますけど、 詳しいことはわかりませんねぇ」
石原さんは島根県の出身で、もともと神話などに馴染みが深く、 鹿島の友人を訪ねたときに高天原という地名を見つけて興味を持ったのだという。
鹿島神宮は、古代に朝廷が東国遠征のための最前線基地とした場所で、 日本海側を北上して津軽海峡を回り込んで南下してきた出雲系勢力や蝦夷勢力と朝廷勢力が接触している。出雲出身の石原さんが、 鹿島を訪ねて何かを感じるのもわかる気がする。
『レイラインハンター』は、古代に築かれた遺跡や神社の配置を題材にして、陰陽道や風水にも触れたりしているので、 スピリチュアル系に分類されがちだが、ぼくは、これを土地にまつわる「不思議」を探訪するためのガイドブックという意識で著した。
そこに行くと、何か具体的なご利益があったり、癒しの効果を実感できたりなどということはまったくない。ただ、 この本の中で紹介している場所は、そこに身を置いて、五感を研ぎ澄ましてみれば、 神話で語られる神が土地の雰囲気=地霊として実感できるということだけだ。
だが、石原さんが鹿島の「高天原」に興味を引かれたように、地霊を感じることで、さらにその土地のことや、 土地と人との関係がもっと知りたくなってくる。ガイドブックというのは、そうした探求の旅へ誘う本という意味だ。
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