49歳の誕生日を迎えてから1週間が経った。父は30年前、50歳になって1週間でこの世を去った。父の享年までちょうどあと1年。
40代を迎えた頃から、デスクサイドでこちらを見ている父の遺影に、自分の姿が近づいていく実感が募ってきたが、 1年を切ってみると、ますます父に肉薄し、すぐにその父の姿を追い越してしまうということが、ありえないことに思えてきた。
あと一年で、遺影の父よりも自分は年上になってしまう……。
30年前、危篤の知らせを聞いて病院に駆けつけたとき、父はまだ生きていた。 ずっとつきっきりで看病を続けていた母が倒れそうになり、別室で点滴を受け、父とぼくが二人きりの時、父は一瞬だけ意識を取り戻し、 目の前で息を引き取った。
あの父を自分はもうすぐ越えてしまう。
これからの一年は、特別な一年だ。これが自分にとっても最期の一年のつもりで、生き方を見直し、 父に恥じないよう精一杯生きてみようと思う。
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