昔、祖母を手伝って庭で採れた梅を様々に加工したことを思い出しながら、先月、 若狭の友人から送られてきた青梅を4種類のバリエーションで漬け込んでみた。
定番の梅酒と梅干し、そして梅シロップと梅サワー。漬け込んでから3週間が経ち、梅シロップがそろそろ飲み頃になったようなので、 炭酸で割って飲んでみた。
ほんのり青くて、後味が涼しい。
先週梅雨明けしたと思ったら、また前線が下りてきて、不快な気候が続いているが、蒸し暑く、 水分を取るとじっとりとした汗が浮かんできて、さらに暑さが増してしまうようなこんなときには、 汗まで清々しくなるような梅のジュースが気持ちいい。
まさに梅は梅雨の作物、梅雨を乗り切る作物だ。
最近は、市販の清涼飲料でも『梅よろし』といったものがあるが、本物の梅ジュースと飲み比べてみると、やはり人工的な味がする。
梅シロップや梅サワーは、梅雨のはじめに漬け込んで、梅雨明け頃が飲み頃となる。梅干しも、 土用の晴れた日に干せばすぐに食べられるようになる。いちばん暑い時期は、梅の恵みで爽やかに、健康的に乗り切れるというわけだ。 梅酒のほうは、じっくりと漬け込んで、1年経ったくらいから飲み頃に。こちらは通年楽しめる味となる。
梅一つとってみても、昔の人の知恵の深さと、季節に合わせて生活していたリズムの心地よさがよくわかる。
こうして、ちょっとした手間をかけることで、暮らしも心も豊かになるのに、 その手間を惜しんで複雑な分業社会にしてしまった現代人の愚かさも同時に感じてしまう。
「自給自足」などと、いきなり息巻いたりせず、まずはこうした身近にできることからはじめて、 昔ながらの自然でゆったりした暮らしのリズムを取り戻していきたいと思う。
さて、次は、ビールの仕込み第二弾かな。
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