さてさて、今回、初挑戦となったビール作りだが、ビール作りキットについてきたパンフレットには、 「瓶詰めしてから2週間目くらいから飲むことができます。飲み頃は1~3ヶ月です」とある。
先月25日に瓶詰めしてから指折り数えて2週間が経つのを待っていて、今日、「掟破り」のペットボトル詰めをしたものを開けてみた。
ボトルはダルマのようにパンパンに膨らんでいて、いかにもしっかりと発酵した雰囲気だ。
キャップを捻ると、プシュッと勢いよく炭酸ガスが噴き出した。同時に、まぎれもないビールの香りが部屋に広がる。
コップに注ぐと、さすがにまだ若いようで、大粒の泡が立って、それもすぐに消えてしまう。
さて、試飲してみると、正真正銘のビール……当たり前だが。温度管理はいい加減だったし、台所に転がっていたペットボトルに詰めて、 光もけっこう当たっていたし、正直言って、7割がた失敗を覚悟していた。それが蓋を開けてみれば、見事に、かなり旨いビールに育っていた。
もうずいぶん昔、前田武彦というどぶろく作りの普及活動を行うおじいさんがいて、そのセミナーに参加したことがあった。 ぼくが20代の半ば頃だから20年くらい前だ。
その頃は、東京暮らしは早々に切り上げて、信州の山裾にでも移り住んで、様々なものを自給し、手作りもして暮らそうと思っていた。 そこで、日本酒も『密造』しようと、そんなセミナーに出掛けたりしたのだが、気がついてみればそれから20年以上も、 自給や手作りから遠い都会暮らしを続けてしまった。
今年のうちには、長年の目標だった田舎暮らしに移るつもりだが……今は、都会と田舎の周縁部にいるので、 徐々に田舎暮らし化してきているわけだが……旨いビールを潤沢に自給できる目処はついたので、気分的にも弾みがつきそうだ(笑)。
しかし、日本には酒税法があって、あまりあからさまに酒を製造することはできないが、そのせいで、 発酵や醸造という自然の当たり前の営みを身近に感じられないのは残念だ。
前回のエントリーで振り返ったように、 今回は、ビール作りを通して、幼い頃の様々なものを自給していたライフスタイルを思い出した。
まだ、自分の中に微かに残っている自然の営みに歩調を合わせたライフスタイルを取り戻すと同時に、 それを次の世代にも伝えていきたいと思っている。
アウトドアに飛び出して、風や日差しを感じるのも、もちろん「自然と触れあう」ことだが、日々の生活の中に自然の営みを取り入れ、 その変化を見ていることも、紛れもない「自然との触れ合い」だと思う……とまあ、たかがビール作りでと笑われそうだが、 大好きなビールが自然の素材だけで、自分一人で出来上がって、じつはとても感動しているのである(笑)
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