前回のエントリーで、週末に赤城山麓に行ったと書いたが、そのときの収穫の加工を始めた。
「加工」といっても、そんなに大それたものではなく、採集した様々な落ち葉を乾燥し、アルコール噴霧で消毒するだけ。 これをどう使うかは、後のお楽しみだ。
それにしても、観光客など見向きもしない、どこにでもある日本の野山が、ひとたび「木の葉」 に注目すると様々な表情を見せてくれるワンダーランドに変わってしまうのだから、「視点」を変えるということの大切さがよくわかる。
たぶん、物事はこんなふうに日常の意識からほんの少しシフトしたり、些細なことに目を向けてみるだけで、 スタティックでつまらなく見えていたものが、ダイナミックに躍動して輝きはじめるのだろう。
昔、ピークハントに明け暮れていた頃は、山は見ていても木は見ていなかった。その後、 もっと自由にアウトドアを楽しむようになってからも、あまり樹木に注意を向けたことはなかった。
それが、ツリーイングと出会って、木に直に触れるようになってから、木々の個性を知り、俄然身近に感じるようになった。
日本の国土の七割は森林で、そこに生育する木々は、この国土で暮らす人間などより遙かに多い。そして、多くの木々は、 人間よりも遙かに長い時間、この大地に生きてきた。
太陽の光が均等に配分されるよう、樹冠が被さらないように空間をシェアしたり、 それぞれの種類の葉が独特の螺旋を描いて舞い落ちることで、子孫をより遠くへと送り届け、バランスのとれた混生林を形作る…… そうした樹木たちの「智慧」や適応に、ぼくたち人間ももっともっと学ばなければと思う。
今回、木々から分けてもらった「収穫」で、この冬は、ほんの少し温もり、心もほんの少し暖かくなりそうだ。
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