この週末は、群馬県の赤城山の東腹にあるキャンプサイトで、キャビンに泊まり、枯葉集めをしていた。
ちょうど紅葉真っ盛りということもあって、関越道の下り線から、前橋から赤城山の頂上へ向かう道や、 大間々から足利を通って日光へ抜ける道は軒並み渋滞していたが、そうした観光地へ向かう幹線から外れてローカルな道に入ると、 途端にクルマもバイクも見えなくなって、ただひたすら長閑な田舎道が続く。
そして、たどり着いたキャンプサイトは、一つは10月一杯で閉鎖となってしまったが、もう一つのほうは今月一杯開いていて、 泊り客はわずか二組だけだった。
今回、そんな場所へ足を運んだ目的は、紅葉を愛でるためではなくて、いろんな種類の木の葉を集めることだった。
ちょうど枯葉の落ちる季節で、見慣れたクヌギやコナラ、ホウ、カエデ、山栗等々、それぞれの葉が風に飛ばされて、 固有の螺旋軌道を描きながら落ちてくるのを眺めつつ、大きなポリ袋半分ほどの量を拾った。
泊まったキャビンの屋根には、時々、山栗が落ちて、ドキッとするような音を立てていたが、朝起きて、周囲を見渡してみると、 普通の栗よりも二まわりほど小さい茶色い毬栗が一面に散り落ちていた。
その毬を外すのに、小さいせいで手間がかかるが、中味はぷっくりとした美味しそうな栗で、 ついついそちらの採集に夢中になってしまう。
観光施設など何もないただの野山だけれど、マクロな部分に目をむけてみると、一日や二日では足りない楽しみが見つけられるものだ。
今年のツーリングマップルの取材では、「棚田」が一つのテーマとしてあって、観光ガイドには乗っていない、 人知れない山間の棚田を巡ったが、どれも、懐かしく、ホッとする風景を見せてくれた。
じつは、そんな昔からの日本の野山や山村そのものが、いちばん、心を癒し、リラックスさせてくれるのではないかと思う。
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