以前から、『ペグの理想型』という評判をあちこちから聞いていたのだけれど、 なかなか実物を使う機会に恵まれなかったスノーピークの「ソリッドステーク」。
先日、一緒にキャンプした友人が……まだアウトドア歴は浅いながら、数々の涎が出そうなブランド品を揃えている…… 持参したスノーピークのヘキサタープの付属品が、まさにその「ソリッドステーク」で、実際に性能を実感することができた。
鉄を鍛造して作られるこのペグは、ずっしりと重く、昔の鉄道の犬釘や寺社の門の閂を連想させる。地面に深く打ち込んでも、 専用のハンマーを使えば、梃の原理でたやすく抜くことができる。
今どきのテントは、自立式で耐風性もよく、ペグダウンに神経質にならなくてもいいが、タープとなると風に煽られやすく、 しっかりとペグダウンしておかないと荒天時に悲惨なことになってしまう。
今回使ったのは、スノーピークのヘキサタープLという大型のウイングタープで、 二本のポールで羽根を伸ばした翼竜のようなフォルムのタープを張る形になる。防水コーティングがしっかり施された生地は厚く、 これが突風で煽られたら、生半可なペグではすぐに引き抜かれてしまうだろう。
今回のキャンプサイトは白樺とツガの混生林の中で、木の根が這っている上に石や岩も多く、いつもペグダウンに難渋するところ。 アルミのペグでは力まかせに打ち込むと岩に当たって簡単に曲がってしまうのだが、ソリッドステークは、大岩にでも当たらない限り、 気持ちよく地面に刺さっていく。
付属のハンマーは打撃面が銅製で柔らかく、硬い鍛鉄を叩くと、くっきりと跡がつく。だが、これなら、 ペグ本体が硬い岩に当たってハンマーが跳ね返されても、打撃力がある程度吸収されているので、滑ったり、反動で手を痛めることも防げそうだ。
また、打撃面の反対側はペグと同じ素材の鍛鉄製の鈎となっていて、これを使ってペグを引っかけて引き抜いたり、 石を支点にして梃の要領で深々と地面に食い込んだペグを簡単に引き抜くことができる。
鍛鉄製のペグは信じられないほど堅牢で、しかも適度なしなりもあって、まさに『ペグの理想型』に偽りはない。
さすがにズシリと重いこのペグを普通の山行の装備に入れようとは思わないが、オートキャンプで、 大型タープを張るのなら躊躇なくソリッドステークを揃えたい。
**先端は鋭角になっていて、薄い岩なら簡単に貫通してしまう**
**深々と刺さったペグは、安心感抜群。適度なしなりもあって、
スッポ抜けるようなこともまずない**
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