**地上25m、9階から10階建てのビルの高さに相当する。この高度感に慣れるまで、
さすがに少々怖かった**
ツリーイングは、本来、力に頼らず、楽に登降が可能なのが特徴なのだが、まだ体の使い方が慣れていないせいか、一夜明けると、 腕がパンパンに張っていた。知らず知らずのうちに、ロープを握りしめたりもしていたようで、箸を持つにも手が震えるほど、 握力もなくなっていた(笑)
今日は、朝、現場の雑木林に集合。昨日に引き続き、小春日和のような陽気でね冬枯れの林は、柔らかい陽光が射し込んで爽やかだ。
今日の最初の講習は、「ビッグショット」と呼ばれる巨大パチンコで、ラインを結びつけたパウチ(錘)を狙いの枝まで飛ばす練習。 これが、アメリカのマッチョな樵向けに作られた代物なものだから、恐ろしく力がいる。狙いの枝にラインを掛けるまで、二、三度引いただけで、 すでに筋肉痛の腕がプルプルと痙攣してしまう。
その後、シングルロープを木の根回りに結びつけてアンカーをとるためのロープワークを練習して、いよいよ、 自分で全てをセッティングして、昨日より高い位置までSRTで登る。
樹上で、腰に吊したデイジーロープを外し、それを投げ縄の要領で、さらに上の枝に掛け、DRTシステムを組んで、 上に掛けたロープに乗り移る。ここで、もし、ロープワークに間違いがあったら、ロープを移った途端に転落することになる。
ハーネスをSRTシステムからDRTシステムに掛け替えるときは、さすがに緊張する。ぼくが使ったデイジーロープは、 そこまで登ってきたシングルロープに比べて伸び率が大きいので、テンションをかけてしっかりフリクションが効いていることを確かめても、 ぶら下がった途端に30cmくらいストンと落ちるので、毎回、肝が冷やされる。
何度も何度も、理屈で考えずに、体が自然に動くまで登り降りを繰り返し、午前中の講習は終了。
昼食を挟んで、午後は、セミナーハウスの正面に聳えるセコイアの木に全員で取りつく。
二班に分かれて、違う枝にロープを掛け、一人が登って、上で自分のデイジーロープを別の枝に掛けてそちらに乗り移ったら、 次の人間がメインロープを伝って登り、デイジーに移るということを繰り返して、一本のセコイアのてっぺん近くに、 インストラクター二人と受講生6人の8人が集結した。
インストラクターから、お菓子が振る舞われ、その場で講評。今回の参加者は、フィールドワークのプロばかりだったので、そつがなく、 安全管理なども完璧で、非常に成績優秀と褒められた。
「ただし、どんなことでもそうですけれど、慣れてきたときがいちばん危ないということを肝に銘じておいてください。これから、 アクティビティとしても、また仕事に生かすにしても、ツリーイングに慣れて、油断したときが危険ですから、常に緊張感を持って、be safety ということを忘れずに、楽しんでください」
西陽を受ける樹上で8人が固まって、それぞれ今回の講習の感想など話していると、8人と、ぼくたちを受け入れて、 ゆったりと風にしなっているセコイアとの、なんともいえない一体感が生まれてくる。
木の特性を理解して、木に触れ合いながら、そして、仲間と力を合わせながら、樹上に達し、日差しや風を共に感じていると、 大袈裟でなく、自分たちが地球という一つの生命を構成している細胞なんだなという気がしてくる……ツリーイングの世界は、 まだまだ奧が深そうだ。
今後、ツリーイングのインストラクターの資格をとるまで、このレポートを続けていくので、お楽しみに!!
また、インストラクター資格を取ったら、このコーナー主催で、ツリーイングの体験会も実施する予定です!!
**シングルロープのベースアンカーをとるための舫結びを練習する。これが、命を左右する部分だけに、皆、
真剣だ**
**午後の課題となったセコイアの大木。この木に、次々に登っていく**
**樹上に集結。じつは、この課題そのものが、SRTの検定だった**
**検定終了後の講評。そして、SRTクライマーの認定証を受ける**
**今回の受講者は、林業関係者、アウトドアガイド、学校の先生と、
みんなフィールドワークの専門家ともいえる人たちだった。また、一緒に木に登りましょう!!
皆さん!!**
■ツリーマスタークライミングアカデミー■
http://treemaster.jp/
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