小泉八雲=ラフカディオ・ハーンは、神道について、こう述べている。
「神道に哲学はない。体系的な倫理も、抽象的な教理もない。しかし、まさしく『ない』ことによって、 西洋の宗教思想の侵略に対抗できた」
彼は、アイルランド人の父とギリシア人の母との間に生まれ、イギリスで教育を受けたあと、アメリカに渡って新聞記者となり、 さらにカリブ海のマルティニク島に渡って、その先住民文化を研究した。
彼の血には、プリミティヴなものを求める何かが色濃く残っていたのだろう。
彼は、松江に居を構え、様々な文学を生み出した。日本人よりも遙かに日本人的な魂の物語を……。
彼は、西洋人として初めて出雲大社に昇殿参拝を許された人でもあった。
彼は、松江から船に乗り、宍道湖を渡って出雲大社に向かったという。
ぼくも、出雲大社には幾度か訪れている。だが、宍道湖を渡って行ったことは一度もない。今度訪れるときは、ハーンと同じ、 松江から宍道湖を渡って出雲大社を訪ねてみたい。
**参考文献**
『神様たちと暮らす本』(鎌田東二 PHP研究所)
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