**お水送り儀式の翌日。二月堂へと「聖水」が流し込まれた鵜の瀬は、 いつもの静かな表情を取り戻していた**
若狭に伝わる神秘的な祭り「お水送り」に参加した翌日は、以前にも紹介した「若狭不老不死伝説」 巡りを行いました。
今回は、単に物件を巡ってレクチャーするだけではなく、空海が聖水とした瓜割滝の水を汲んで、野点をしたり、 常神半島の無人浜で瞑想体験などの自然と神秘を体で実感できるプログラムを組み込んでみました。
若狭は、先にご紹介した「お水送り」のように、とても水の豊富なところで、三方石観音、 瓜割滝といった空海ゆかりの湧水も各所にあります。中でも、 瓜割滝はコンコンと湧き出す水が滝となって流れ落ちる国内でも有数の規模の湧水で、一年を通して手を切るような冷たい水が流れ出しています。
お水送り儀式に採取されて流される神宮寺の「アカ水」が不老長生の聖水とされるように、ここの水も聖水として、 周辺環境とともにとても大切にされています。
その聖水を汲んで、滝の傍らで沸かし、野点を楽しんでみました。
夏の間は、ここの水を使って作った「葛饅頭」が名物なのですが、まだ時期が早く、代わりにひな祭りのお菓子をお茶受けに。屋外で、 甘露な湧水でたてたお茶は最高に美味でした。ちなみに、湯沸かしにはジェットボイルを使いました。
夕方には常神半島の無人の浜に渡って、沈む夕陽を眺めながら瞑想しようと計画していましたが、天気が今ひとつなのと、 海へ出る舟の段取りが手間取ったりしたこともあって、代わりに、今回拠点にした「湖上館PAMCO」の目の前に広がる水月湖に舟で出て、 ウナギ漁体験をすることに。
PAMCOオーナー田辺氏のお父さんが仕掛けているウナギ漁の仕掛けを引き上げに、鏡のような湖面に舟で滑り出して行きます。
湖畔の一角に昔ながらの筒を束ねた仕掛けがあって、それを舟の上から慎重にたぐり寄せていきます。今では、 ウナギが一度入ったら出られない仕掛けを使うことが多いのだそうですが、それだと頻繁に仕掛けを調べに行かないと、 中に入ったウナギが弱ったり、餌が悪くなったりしてしまうとのことで、田辺さんは、昔ながらに、筒を沈めて、 ウナギが寝床としてそこに潜り込んだのを驚いて逃げないように慎重に持ち上げる漁法を続けているそうです。
この日は、残念ながら30本あまりの仕掛けすべてが坊主。でも、食卓には前日に獲った天然ウナギが饗され、 その蕩けるような舌触りと甘さを堪能することができました。
これからも、こうした歴史探訪とアクティビティを合わせたツアーを行おうと思っています。
コメント