北関東の一角、茨城県南部と千葉県にまたがる地域に「東国三社」と呼ばれる三つの神社がある。
鹿島神宮、香取神宮、息栖神社の三つの神社。昨年の年明けに三社を巡ってレポートしたが、 来月、ツアーを開催することになった。
ここは、荒俣宏氏が大地に描かれた「直角三角形」の謎としても紹介したところで、その歴史を遡ってみると、とても面白い。
そもそも「東国三社」とセットで呼ばれるのは、それぞれに祭られるタケミカヅチ、フツヌシ、アメノトリフネの三柱の神が、 アマテラスに天界から派遣されて、地上を譲るように迫った「国譲り」神話に由来している。
実り豊かで平和な地上を治めていたオオクニヌシは、それまで天界から派遣されてきた遣いの神たちを巧みに懐柔して、 国譲りの話をうやむやにしてきたのだが、業を煮やしたアマテラスは、ついに武力を行使することにして、 武神として名高いタケミカヅチを派遣する。
これには、オオクニヌシも折れるのだが、次男のタテミナカタが反抗する。しかし、タケミカヅチの敵ではなく、 タテミナカタは諏訪まで飛ばされて、そこで祭神となる。東国三社の要である鹿島神宮は、その諏訪大社の真東にあって、 いまだに諏訪大社を睨んでいる。
他にも、東国三社の位置関係が神話を象徴していたり、周辺にある出雲系の神社の神社や、 富士山などのランドマークとの間に不思議な位置関係が見えてくる。
この東国三社を創建した古代の人たちの思いやら思想やら、そして、 今GPSやデジタルマップといった最新のテクノロジーを駆使して見えてくる、配置の正確さなど、現地の雰囲気に浸りながら、 ぼくがレイラインハンティングで展開しているGPSを使ったフィールドワークを実際に体験して、不思議の奥深さを感じてもらおうというもの。
のんびりとした初夏の水郷を巡る気分も爽快。
時間のとれる方は、ぜひどうぞ!!
**東国三社の位置関係。正確な直角三角形ではないけれど、 底辺がぴったり緯度線に沿っているのが興味深い**
**鹿島神宮に秘められた方位。参道、社殿、ご神体などが、 それぞれ特定のものを指している**
**鹿島神宮のご神体「要石」。これが地下に潜む大ナマズの頭を押さえているので、 この地方に地震が少ないという言い伝えがある**
**香取神宮は、 鹿島神宮の祭神タケミカヅチが手にしていた刀が祭神としてまつられている**
Well said.
投稿情報: Leia | 2009/04/23 16:51