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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.202
2020年11月19日号
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◆今回の内容
○生まれ変わりの聖地「別所」
・信州上田のレイライン
・ヤマトタケル伝説
・別所で生まれ変わる
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生まれ変わりの聖地「別所」
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先日、長野県上田市で行われたシンポジウムに参加してきました。
上田市にある別所温泉とその周辺は、夏至の朝日がまっすぐ差し込んでくる地形を成していて、それに沿って神社仏閣が並んでいます。また、長野市の善光寺と対をなすことで有名な北向観音や立冬・立春を意識した安楽寺や別所神社もあります。方位を意識したそれらの聖地の詳細な構造を調べて、その意味を解析する仕事を2014年にさせていただきました。
その成果は、「太陽と大地の聖地温泉」としてまとめ、地域活性のキャッチフレーズとしても活かされました。これは、別所温泉を主体にしたもでしたが、今年、その範囲を広げて上田市の聖地のネットワークとして整理しなおされたコンセプトが日本遺産に認定されました。
今回のシンポジウムは、それを記念して、地元長野大学の学生たちが中心となって企画したものでした。
別所温泉の地域創生プロジェクトのプロデューサーとして、私に声をかけてくれた東急エージェンシーの長谷川さんと私とで、プロジェクトの進展の経緯や具体的な聖地の構造を解説させていただきました。
当日は、このコロナ禍にも関わらず、地元を中心に沢山の人が参加してくれ、またZOOMによるオンライン配信もされて、全国の人が視聴してくださいました。
日本遺産の登録タイトルは、『レイラインがつなぐ「太陽と大地の聖地」~龍と生きるまち 信州上田・塩田平~』というもので、認定の知らせを頂いたときに、発案者としてとてもうれしく感じると同時に、「レイライン」という言葉が盛り込まれたことで、スピリチュアルやオカルトと短絡的に考える人もいるので、誤解を招きはしないかという心配も少しありました。
しかし、二至二分、立春立冬の太陽に合わせた聖地配置が見られ、さらに神話的な符号もはっきりしていて、「レイライン」の見本のような事例が集中する場所なので、やはりこの言葉は外せません。あえて誤解を恐れずに、この文言を盛り込んだ担当の方々や、これを選定した文化庁の関係者や有識者の方々の英断を頼もしく思いました。
今まで、別所温泉とその周辺のレイラインについて取り上げたこともありましたが、いずれも断片的だったので、今回は、日本遺産認定の意義とともに、包括的にこの地域のレイラインや聖地について紹介してみたいと思います。
●信州上田のレイライン●
2007年1月、NBS長野放送で、信州のレイラインを紹介する特別番組が放送されました。その中で私はレポーターを務めました。
これは、長野県の白馬村で昔から言い伝えられてきた「風切り地蔵が災害を防ぐ」という伝承を、実際に検証するのがメインで、白馬岳に連なる小蓮華山の頂上とその麓の落倉集落、そしてかつての善光寺街道の峠である唐山峠に配置された風切地蔵が冬至の日の出と夏至の日の入りを結ぶラインに正確に並べられていることを証明し、さらに信州北部から上田市が立地する東部にかけて、同じような事例がたくさん見られることを紹介しました。
たとえば、戸隠神社奥社の参道は2キロメートルあまり続く直線路として知られていますが、これも風切地蔵と同じ方向を指し、奥社本殿は、冬至の朝日と向かい合う形になっています。この番組のラストシーンは、上田市にある生島足島神社で、参道の真ん中に沈んでいく冬至の入り日でした。
同じ二至(冬至と夏至)の太陽の出没を結ぶものですが、生島足島神社の参道は、夏至の日の出と冬至の日の入りを結んでいます。この二つのラインは方向は違いますが、どちらも太陽信仰において、夏至に太陽の恵みに感謝し、冬至に太陽の再生を願うという意味は同じです。
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