先週の土曜日は、高松でのトークサロンとフィールドワークツアーが開催された。
四国八十八ヶ所第83番霊場一宮寺で、レイラインに関する簡単なレクチャーと、周辺の聖地、とくに歴代高松藩主の菩提寺である仏生山法然寺を中心に、その構造や浄土宗ならではの彼岸を意識した配置について解説した。そして、フィールドワークツアーは、四国発の世界ブランドバイクであるタイレルの最新モデルに跨って、トークサロンで解説したポイントを巡り、スマホのコンパスや他のアプリを使って、実際に検証した。
これから彼岸の中日(秋分)にかけて、法然寺からは、参道の真っ直ぐ先から登ってくる太陽を拝むことができる。さらには、眼前に聳える日山の頂上から指す朝日も、この数日拝することができる。また、反対に日山のほうから拝めば、夕日は仏生山の頂上に沈んでいく。
春分の日前後も同じ光景が見られるが、これは二分(春分と秋分)が昼と夜の長さが同じになる日で、古代から、この日はあの世とこの世が繋がる日と考えられたからだった。
こうした構造は、拙著『レイラインハンター』でも取り上げた「ご来光の道」とのように、日本列島を横断する長大なものも、さらにローカルなものもたくさんある。
「お彼岸」とは文字通り彼岸=あの世と繋がる日であり、この日、「日想観」といって真西に沈む太陽拝んで、先祖と交信するといった風習も、大阪の四天王寺をはじめ、各地に残っている。
秋分以降は夜のほうが長くなり、古代の人間は、これから彼岸の力が増していくと考えた。秋の夜長には、そんなことを意識しながら、祖先の歴史に想いを馳せてみるのもいいかもしれない。
次回の「四国レイライン・トークサロン&フィールドワークツアー」は冬至前日の12月21日に、空海の出生地である善通寺を起点に、冬至にしか見られない景色を拝み、金毘羅山なども巡る予定。
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㈱四国遍路 https://shikokuhenro.co.jp
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