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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.27
2013年8月1日号
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◆今週のメニュー
1 人間の可能性について
・ロジックを越えた何か
・体感の重要性
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人間の可能性について
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【ロジックを越えた何か】
今日から8月になりました。関東では、早々に梅雨明けしたはず
が、ここにきてずっと梅雨前線に居座られて冴えない天気が続いて
います。日本語には便利な言葉があって、こんな気象状態を「戻り
梅雨」なんて言いますが、そんな言葉があるということは、それだ
け気象の予測が難しいということを物語っています。
最近は、アウトドアでもウェザーニュースなどの気象サービスを
使って、それを行動指標にすることが多くなりましたが、便利にな
った反面それに頼りきってしまって、局地的かつ突発的な気象現象
を見落とすことが多くなってきたように感じます。
便利な気象サービスがなかった頃は、観天望気に頼っていました。
これは、雲の動きや風の変化、湿度の変化などを元に、感覚的に天
気変化を予想するもので、経験を積むと、意識しなくても異常を察
知して、すぐに退避行動に移ったものでした。
気象サービスを使っていると、妙に用心深くなりすぎて好転する
兆しを読み損なってチャンスを逃したり、あるいは風向きが変わっ
て天気変化がノーマルな西からではなく北や東から始まっているの
に、リニアな変化を予測している予報のほうを信じて悪天候に巻き
込まれるといったことがしばしば起こります。
気象予測はスーパーコンピュータを使って、膨大な計算を何度も
何度も行なってシミュレーションします。つい最近は、将棋でコン
ピュータがプロ棋士に勝って話題になりましたが、将棋のようにロ
ジックで成り立つものは、コンピュータが人間の能力を凌駕したと
いえますが、気象のように、単純なロジックだけではない様々なフ
ァクターが複雑に折り重なる現象に関しては、人間のインスピレー
ションのほうにまだまだ分がある気がします。
自然の中にいると、何か得体の知れない存在が身近にあるように
感じることがあります。それは言葉として具体的には表象できない
何事かを伝えようとしてる…そんなふうに思えるのです。そんな雰
囲気から嫌な予感がして、足を止めたら前方で落石があったり雪崩
があったという経験もあります。こうした、ロジックでは説明のつ
かないことを感じ取れるのが人間であって、ロジック一辺倒のコン
ピュータに頼りすぎてしまうと、こうした能力が退化していってし
まうのではないでしょうか。
今、ITの世界で、「ビッグデータ」という言葉がよく使われます。
コンピュータの処理能力が一秒間に何兆回、ストレージ(記憶装置)
のボリュームが何ペタバイト、そしてストレージへのアクセス速度
が何十万分の一秒といったレベルになって、途方もないボリューム
のデータを瞬時に検索したり計算して、今まで発見できなかった傾
向を見出せるようになりました。それを包括する概念が「ビッグデ
ータ」です。
スピリチュアリズム(神秘主義)の世界では、宇宙の誕生から終末
までのすべての記録が保管されている場所があるとして、これを
「アーカシックレコード」と呼びます。元々は仏教の阿迦奢(アカ
シャ=一切の存在が含まれる虚空)からとられた概念です。未来予知
や予感、あるいはシンクロニシティといった現象は、このアーカシ
ックレコードに何かの拍子でアクセスして、そこにあった情報を読
み取ったから起こる現象だと説明されます。
ビッグデータをアーカシックレコードに置き換えれば、仮にアー
カシックレコードに凄まじい計算能力を持ったコンピュータでアク
セスすれば、どんな問題にも瞬時に答えが見つかることになります。
でも、実際はアーカシックレコードは空想のものですし、途方も
ないビッグデータを瞬時に計算できても、出力されるのはゆるぎの
ない「解」ではなくて、「傾向」に過ぎません。それは、何よりも
気象情報解析の結果が物語っています。
人間がコンピュータと異なるのは、自分の脳で扱えるデータ量に
限界はあっても、直感的に正しい解に辿り着く能力を持っていると
いうことです。
物事をロジカルに考えるのは、とても大事なことですし、そうし
なければ科学はここまで発達してきませんでした。でも、ロジカル
なアプローチにこだわり過ぎると、最終的な答えの出ない問題に執
着してしまったり、トリレンマの循環論法(Aを証明するのに、「B
だから」と説明し、そのBを証明するのに、「Cだから」と説明し、
そのCを証明するのに、「Aだから」と循環してしまう)に陥ってし
まいます。
コンピュータはロジックマシンですから、たとえば円周率を計算
させれば、そのコマンドを人間が取り消さない限りは計算をし続け
ます。今ではCPUが計算を並列処理していますので、それでハング
アップすることはほとんどありませんが、CPUの計算処理能力は著
しく低下してしまいます。またアルゴリズムにバグがあれば、循環
論法と同じ無限ループに嵌り込みます。
人間は、そうしたロジックの壁にぶち当たったときに、見切りを
つけて諦めたり、その問題から少し離れて気分を変えることで、思
いもしない解決法を導き出す能力を持っています。
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