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◆今週のメニュー
1 聖地とシャーマン
魔術的思考と先端科学
聖地を感じるシャーマンの資質
2 コラム
金峯山寺友の会
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聖地とシャーマン
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これを記している今は8月15日。終戦記念日です。
私は昭和36年に茨城県の太平洋沿岸にある小さな町で生まれま
した。子供の頃は太平洋戦争の名残がそこここにありました。
神風特攻隊が飛び立っていった鉾田飛行場は旧来の農地に戻され
ていましたが、その真中を貫く滑走路はそのまま農道として使われ、
その端にはここから帰らぬ突撃に旅立っていった若人の名前を記し
た慰霊碑がありました。
私の母は戦争末期には小学4年生でしたが、まだ10代だった若い
特攻隊員たちに妹のように可愛がられ、滑走路の傍らで日の丸を振
り、彼らを見送ったそうです。そして、隊員の一人がくれた真っ白
い絹のスカーフを形見として大切にしていました。
今では、特攻隊員の慰霊碑も草に埋もれ、そこに飛行場があった
ことを知る人もほとんどいなくなりました。
このところ、竹島や尖閣列島、北方領土と、国境を巡る問題が切
迫化して嫌な雰囲気が漂っています。単なる領土問題ではなく、原
発事故を契機にしたエネルギー問題と結びついて、エネルギー資源
の確保という名目でこれが煽り立てられ、憲法改正から実力行使と
いったシナリオを取れば、再び戦争となる可能性もあります。
地球上の土地はいったい誰のものなのか、地下に眠る資源は誰の
もので、どう活用されるべきものなのか?
古来から「聖地」として守られてきた場所は、誰の所有となるも
のでもなく、そこに眠る大地の力の根源である資源はみだりに利用
してはならないものとされてきました。そうした聖地を守護者であ
る先住民から取り上げ、大地を掘り返して、石油を吸い上げたり、
ウランを採掘して精製したりした結果、今の汚染と混乱の世の中が
もたらされました。
聖地やレイラインを探索し、大地にこれらを残した先人たちの思
いに触れると、彼らが自分たちを生かしてくれている自然を敬い、
宇宙のリズムに自分たちの生活を合わせて暮らすことを第一に考え
ていたことがはっきりとわかります。
聖地について考察することは、今、私たちに突きつけられている
人類の存亡に関わる問題の解決に向けて、一つの指針を求めること
に繋がると私は確信しています。終戦記念日を迎え、人類が犯した
過ちを繰り返さないためにも、そんな信念に基いて、真剣に聖地と
人との関わりについて考えていきたいと思いを新たにしました。
【魔術的思考と先端科学】
前回は、化石人類の時代から新石器時代の巨石文化までの聖地に
ついて概観してみました。20万年前に出現したネアンデルタール人
はすでに豊かな霊的意識を持ち、土地に宿る霊的な力=ゲニウス・
ロキを見分け、繊細な葬送儀礼を行なっていました。葬送儀礼はシ
ャーマンによって執り行われ、さらに彼らは、洞窟に動物の壁画を
描くことで、動物たちの霊を捉え、現実の獲物としてもたらされる
「魔術的思考」を完成させていました。そうした思考様式はネアン
デルタール人を継いだクロマニョン人にも継承され、さらに現代に
生きるシャーマンにまで脈々と受け継がれてきました。
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