*オレンジのラインに挟まれた部分が金環食帯。赤いラインは、もっとも食の大きな中心線。青いラインが鹿島-富士山ライン。東京スカイツリーは、ちょうど赤と青のラインの交点近くに位置する*
前回のエントリー『祈りの風景 06』では、ストーンサークルを中心とした花崗岩文化を紹介したが、このエントリーをアップした直後に、長い間ご無沙汰していたTVプロデューサーの友人から連絡をもらった。
その内容は、来年5月21日の金環食とレイラインに関連性はないかというもの。
『祈りの風景 06』でも少し触れたが、1960年代に天文学者のジェラルド・S・ホーキンスが「ネイチャー」誌上で、イギリスにあるストーンヘンジが日食を予測する計算装置の機能も持っていたと発表した。
ストーンヘンジはイギリスを代表するレイライン「セントマイケルズライン」を構成するポイントの一つで、以前から、ストーンヘンジのように単体だけでなく、レイラインのラインそのものが日食観測域を示すケースもあるのではないかと感じていた。だが、日食が観測できる場所と時間は、太陽の出没時間のように簡単に計算できるものではないので、いずれ関連性を調べようと、ついつい後回しになっていた。
そして、前回のエントリーをアップしたのを機に、日食とレイラインの関連についてあらためて調べようとしていた矢先に、S氏からの連絡を受けたのだった。
来年5月の金環食の観測域は、茨城県南部沿岸から太平洋沿岸を南西に、東京、静岡、名古屋、大阪、高知、宮崎、鹿児島と大きな都市を結んでいる。この金環食帯の中の居住人口は8千万人で、日本人の3人に二人は自宅に居ながらにして壮大な天文ショーを観覧できる非常に稀な機会だ。その観測域を示すラインを初めて見たとき、その中心線(もっとも食の大きな地点を結んだ線)が、鹿島神宮と富士山を結ぶレイラインにかなり近いのではないかという印象を受けた。
鹿島神宮から見て冬至の入日の方向に当たる富士山(正確には夕陽はやや西にズレる。地球の歳差運動の関係で、鹿島神宮創建時には富士山頂と夕陽が一致していたという説がある)を結ぶラインには、その上に様々な聖地やランドマークが置かれている。その中には皇居や明治神宮もあって、日本でも代表的なレイラインの一つ。これを今回の金環食の観測域に合わせてみると、ぴったり中心線に一致する…と想像したが、残念ながらこれは重ならなかった。上の写真のように金環食帯の中に収まってはいるけれど、今回のこの金環食帯のバンドの幅は最大で230kmもあるので、関東から東海沿岸で適当なラインを引けば、すべて収まってしまう。
ところが、一つ不思議なことがある。それは東京スカイツリーにまつわることだ。
以前、東京スカイツリーの位置が、先の鹿島-富士山ライン上にあるということを紹介したが、今回の金環食では、鹿島-富士山ラインと金環食の中心線が交わる点の非常に近くに位置している。さらに、東京スカイツリーの開業は金環食の翌日5月22日に予定されている。
偶然と言ってしまえばそれまでだが、東京の中心地にありながら飛び抜けて高く、360°の見通しがきく東京スカイツリーは、今度の金環食を観測するのに、これ以上ありえないというくらい環境が整っている。
22日に開業ということは、前日はそれに先駆けて、何か儀式でも行われるのだろうか…。
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