**見た目はゴツイが、セッティングポジションの自由度が高いので、一度使うと純正のマウントには戻れない。写真はOregon用のクレードルを装着しているが、他にもハンディGPS用やスマートフォン用のクレードルがある**
春一番に誘われて…というわけでもないけれど、予約していた資料が準備できたというので図書館へ行くのに、久しぶりに自転車で出かけることにした。
ついでに、少し前からインプレッションしようと思っていた軽量化マウントに付け替え、GPSを装着して寄り道しながら片道6kmの道のりをのんびり走ってきた。
モーターサイクルへGPSをマウントする際には、世界的に定番ともなっているRAMマウントだが、これを自転車に装備すると、重いという難点があった。
オフロードを走るラリーやエンデューロでも多用されているマウントなので、堅牢性や耐久性は折り紙付きなのだが、1インチのボールベースが二つと2インチのショートアーム、GPS用のクレードルなどでアルミダイキャスト主体のこのマウントシステムは200gを越えてしまう。
個人的には、古いMTBを街乗り用にしていて、重量には無頓着なので、モーターサイクル用のシステムで不自由を感じたことはない。GARMIN純正のサイクルマウントもあるが、RAMマウントが角度や位置を自由に変えられるのに対して、純正マウントはハンドルに対して鉛直に取り付けて傾斜角しか変えられない。GPSの本体を光の反射の少ない見やすい角度にして、タッチパネルを操作するには、なるべく手元に近いほうがいい。それを満たすのはRAMマウントなので、自然にこちらを使うことになる。
それが、最近、サイクリストが増えたせいか、純正のマウントの強度が心もとないので、何かいいマウントはないかと相談を受けることが多くなり、さすがに軽量化に気を遣って高価なロードレーサーに乗るサイクリストに、アルミダイキャストのRAMマウントは勧めにくい。
そこで、強化プラスチック素材のマウントセットを組んでみることにした。今日、装着したのはそのプラスチック製のセットだった。
試してみたところ、思った以上に軽量化の恩恵があった。
まず、ハンドルを振ってみただけで以前のマウントよりも振られにくくなっているのがわかる。そして、走りだしてみると、アルミ製のマウントではマウント自体の重さで慣性が大きく働いてなかなか振動が収まらないのに対して、軽量マウントのほうは振幅が少なく、揺れそのものもすぐに収まる。荒れた路面を走っているときなど、振動で画面が見にくくなることがあったが、それが嘘のように改善された。
マウントシステムの重量を測ってみると、アルミ製のほうが201g、強化プラスチック製のほうが105g、ほぼ半分の重量だった。軽量化にシビアにこだわるサイクリストは、これでもまだ重いというかもしれないが、GPSを気軽に使いたいブルベライダーやツーリング主体のニーズにはこれで十分ではないだろうか。なにしろ、純正のマウントに比べて堅牢性や耐久性は遥かに高いし、ポジションの自由度が高いので、自分の好みの位置と角度に簡単にセッティングできるのだから。
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