もう7、8年前になるだろうか、e4スタッフのRyuさんが、まだ現役のシーカヤックガイドとしてニュージーランドで活躍していて、 自分がフィールドで使って信頼しているギアをみんなに紹介していた。
そんなギアの一つが、「フリルネック UTE(ユート)」と呼ばれるキャップだった。当時は、「アラファトキャップ」 というネーミングだったが、アラブ情勢などの影響からか、現行のネーミングに変更された。
UTEとは、Ryuさんの説明によれば、「アーバン・ターバン・エクスペリエンス( 都市型ターバン体験)の略ですが、 これはオーストラリア・ニュージーランド英語でトラックを意味する単語ute(ユート)との掛け言葉です」とのこと。 ちなみにアメリカではUTE(ユート)は、ユタとコロラド両州に居住するネイティヴアメリカンを指すという。
メインネームの「フリルネック」に表されるように、エリマキトカゲのように首の周りをぐるりと一周する裾が特徴で、 気候に合せてその裾(フリル)を様々に変形させることで日焼けを防いだり、寒風から顔面を守ったりすることができるようになっている。
普段は冒頭の写真のように裾を束ねて後ろでまとめたり、まるめてたくし上げて、普通のキャップとして使用できる。
日差しが強い時や、寒風を避けたいときには、下のように裾を顎の下で止めたり、顔の前で止めたりして、条件に合せて、 様々に変形することができる。
被り方のバリエーションは、販売サイトのほうに詳しく載っているので、そちらを参照してほしい。http://www.frillneck.jp/brand/treatment.html
ぼくは、このフリルネックUTEをRyuさんに紹介されたときから気に入り、ずっと自分でも使い続け,人にも薦めてきた。
こういったスタイルの帽子は、昔のアフリカの外人部隊の制帽のような、 後頭部を日焼けから守る後ろだけにフリルがついたキャップが今でもあるが、あのタイプは、 夏場に後頭部に直射日光が当たって日射病になることを防ぐもので、フリルネックUTEのように通年で多用途に使用できるものではない。
もともと「ブルダスト」と呼ばれるオーストラリア内部砂漠特有の粒子の細かい砂が舞うようなシチュエーションを想定しているので、 日本では、飛雪が叩きつけるような状況で意外な効果を発揮する。
実際、自分でも夏場のシーカヤックやトレッキングから、厳冬期まで、通年愛用している。
現在、フリルネックUTEは、ポリエステルマイクロメッシュ素材のものとコットンライクラ素材の二種類の素材のモデルがある。
マイクロメッシュ素材は軽く、速乾性に優れ、どちらかといえば夏場の発汗が激しい場面やランニングなどにお薦めだ。 ライクラ素材は肌触りが自然で、フリル部分で汗を拭ったときにしっかりと吸収してくれる。ただし、 大量に発汗したときにはマイクロメッシュよりも乾くまでに時間がかかる。
また、バイザレス(ツバなし)タイプもあって、これは上にヘルメットを被るような場合に重宝で、ぼくは、 ツリーイングというロープを使った木登りのときに使ってみようと思っている。
ツリーイングでは、けっこう上から木っ端などが落ちてくることが多く、フリルネックを使えば、襟元からの侵入を防いでくれそうだ。
よく農家では手ぬぐいを被った上に麦わら帽子を被って日除けにし、炎天下で農作業しているが、 フリルネックはそんなシチュエーションもうってつけだ。天候や暑さに合せて被り方を可変できるし、休憩時などはいちいち脱がなくても、 フリルを束ねて後ろでまとめれば邪魔にならない。
最近はやりの家庭菜園の作業などでも、手軽だし、ファッショナブルでお薦めだ。
**トップの写真はマイクロメッシュのモデル。こちらはコットンライクラ。自然な風合いで、 肌触りはこちらのほうがいい**
**マイクロメッシュタイプは、 フリルのボトムにジップオープンのポケットが付く**
**ライクラモデルにはベルクロ止めのポケットが。「このポケットにピンポン玉を入れておくと、 水に落としてもフロートになっていいんですよ」と、Ryuさんから教わった。
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