那須の静謐な森に囲まれたシックこの上ないバーが、期間限定の「バー・ラジオ」に。
雨がそぼ降る中、泊まっているコテージから傘をさして出掛けていった。
まずは、二期倶楽部の菜園で採れたミントを使ったモヒート。ロングドリンクはレギュラーのバーテンダーが作ってくれる。 ひんやりとした雨の山の空気をそのまま飲み物にしたような味わい。
そして、伝説のバーテンダー尾崎浩司氏にマティーニとマンハッタンを。
カウンターの内側に立つ尾崎氏は、小柄ながら、そこにいるだけで、場が引き締まる。といっても緊張感が漂うのではなくて、 「正しい旋律」の空気が流れるといった感じで、気が引き締まりながらリラックスできる独特の雰囲気だ。
シェイクもステアする音も、そして押さえたトーンの会話も、今まで経験したことのない心地良い「場」を構成している。
マティーニもマンハッタンも、今までけっこう飲んできたカクテルだが、尾崎さんのものは、まったく初めて飲んだように新鮮で、 不思議なのは、1時間あまり、ゆっくりゆっくり味わったのに、最後まで温くならなかったことだ。
青山の「バー・ラジオ」は、さすがに敷居が高い気がして足を運んだことはなかったが、この那須の一期一会で、 グッと身近に感じられた。今度、一人でこっそり訪ねてみよう。
>Kupmoさん
コメントありがとうございます。
ほんとに、いい時間でした。
バーテンダーの仕事というのは、美味しいカクテルを作るだけでなく、「小宇宙」ともいえるような「場」を自然に作ることなんだなと思いました。
表現者の端くれとして、尾崎さんが作り出すようなこの上ない安らぎの場をメディアの中に作り出せたらなあと思います。
投稿情報: uchida | 2009/08/07 22:57
こんばんは。
こちらのブログを拝見するのが遅かった!
「バー・ラジオ」は5日間の限定だったのですね。
「バー・ラジオ」、私は実際に行ったこともなく、かれこれ20年程前に、友人から話を聞いてただ文庫本になった『バー・ラジオのカクテルブック』を読んだだけなのですが、その文庫本は今も部屋の本棚に密かに置いてあります。
内田さん、素敵な時間を過ごされたようですね。
(いつもこちらのブログを拝見し楽しませて頂いております。)
投稿情報: Kupmo | 2009/08/07 22:18