Wさんが亡くなった。
故郷の沖縄で会社を興し、女性起業家のリーダーとして活躍し、後輩の面倒をしっかり見る、男気のある人だったという。
ぼくは、彼女が病を得て、それを克服し、マイペースの生き方を見つけた数年前に出会った。
ある企画で沖縄を訪問することが決まったとき、真っ先に彼女に連絡をして、案内を請うた。彼女は快く引き受けてくれて、 様々な情報を送ってくれ、現地では楽しく酒を酌み交わした。
その後、企画をフォローするために、ハーレーに乗るカメラマンの腰につかまって、各地を取材してくれた。
また沖縄で、楽しい酒を酌み交わすつもりだった……。
再び病魔に襲われたとき、彼女はSNSの日記で、積極的な治療は行わず、好きな場所へ旅をして、好きな仲間と会って暮らすのだと、 さりげなく決意表明をした。
そして、今まで以上にアクティヴに動き、楽しく好奇心を満たしていく様子を綴っていた。
だが、それもいつしか更新されなくなった。
つい数日前、糸井重里が主催する『ほぼ日』でずいぶん前に連載されていた「ガンジーさん」のエッセイのことを思い出し、 そのバックナンバーを辿った。
そのとき、ふとWさんのことを思い出した。
そして、今朝、彼女の訃報を受け取った。
今日、東京の桜はピークを迎え、花吹雪が舞っていた。
彼女は、自分に与えられた寿命を全うしたのだと思う。しかし、50年は、短かった……。
合掌。
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