先日の三連休は、那須で開催されたストローベイルハウスワークショップに参加してきた。ストローベイルとは、 稲や麦の藁を圧縮して方形に束ねたブロックで、これに泥や漆喰を塗って固めて壁材として使うのがストローベイルハウス。
以前、府中にあったスローカフェで、漆喰塗りの壁やベンチがあたたかくて柔らかい質感で心地よく、 どうやって作ったのかを調べていたら、これがストローベイルであることを知り、一度、実体験してみたいと思っていた。
那須では内装の仕切り壁やベンチを作るのではなく、壁材として用いて建て坪で5坪あまりの小屋を造った。
フワフワのストローベイルが、独特の工夫でしっかりとした壁になるのは、その構造を知らないと不思議だが、自分たちで、 組み上げていくと、とても合理的で簡単なのがよくわかった。
スタンダードと思っている(あるいは思いこまされている)こと以外に、多種多様なオルタナティヴがあるのは、 言って見れば世の常のようなものだが、「家造り」 となると素人が生半可で作れるものではないという巨大な先入観が目の前に立ちはだかっていて、想像すらしないし、 セルフビルドを調べてみようとすらしないことがほとんどだろう。
でも、こうして、15人あまりの人数で、1日半で曲がりなりにも「家」の体裁が整ってしまい、各所に遊び心も盛り込んで、 個性が生きる空間が出来上がってしまうのだから、まさに、目から鱗といった体験だった。
これまでの社会システムや経済システムで「スタンダード」とされてきた資本主義の枠組みが崩れてきた今となっては、 「オルタナティヴ」として枠外に追いやられていたもののほうが、価値を持ってくるだろうし、そうして選択肢が増えていくことで、 人の生活や社会システムも多様なものになっていくだろう。
個人的には、いつも柔軟にオルタナティヴを梯子したりシフトしたりしながら、総体として自らの「個性」 となっていくような形でありたいと思う。
コメント