昨日は、夕方凄まじい雷雨となった。
それが通り過ぎてからすっかり涼しくなり、今日も昼間は焼けるような暑さだったが、日が沈むと涼しい風が吹いてきて、 虫の声も涼しげなものに変わった。
今週は『大暑』で、一年のうちでもっとも暑い時期とされる。 この暑さの峠を乗り越えるために土用の丑の日はウナギを食べて精をつけるとされる。
ウナギは食べなかったが、なんとか、この暑さのピークを乗り越えたという実感が、涼しい気分にさせてくれる。
もうだいぶ帰っていないが、実家の庭にある百日紅が、ちょうど桃色の花を満開にしている頃だろう。
いつだったか、茂りすぎて軒に掛かった百日紅の枝を払っているうちに、 調子にのってすっかり幹だけの坊主にしてしまったことがあった。すっきりと見通しが良くなったのはいいが、 ちょうどいいサンシェードになっていた百日紅の緑がなくなり、リビングは真夏の太陽の直射を受けて、地獄のような暑さになってしまった。
生まれ育った実家は(今の実家は元の実家の近くに30年近く前に立て替えたもの)、ぶどう棚があり、庭には柿の木や桃の木があり、 さらに父が丹精込めて育てていた植木の鉢が何千もあって、夏には、青々とした葉が庭中を覆った。
それに井戸から直接ポンプアップした冷たい水を夕方に打ち水すると、ほんとにひんやりとして気持ちが良かった。
当時は今のように物騒な世の中ではなかったから、雨戸を開け放ち、蚊帳を吊って、夜風を浴びながら熟睡した。
そして、朝日に起こされる爽やかな目覚めが待っていた。
夕方の打ち水は、子供のぼくの役目で、当時はそれが面倒で仕方なかったが、今では、 あののんびりとした時間がたまらなく愛しく思える。
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