先日、互いに浪人の身になって、近況などを語り合ったK氏のblogを読んでいたら「神が現れた……」という、 ちょっと心配なタイトルのエントリーが目についた。
そのエントリー自体は、具体的なことは何も書かれておらず、後日、どういうことか説明されていたのだが、それは、 知り合いの会社経営者に会って話をするうちに、パワーストーンの店を紹介されて、そこに足を運んだという話だった。 その店には専属の占い師がいて、 まず占い師の鑑定を受ける。K氏の過去から現状、どうすれば未来が拓けるのかといったことを話され、 それに合ったパワーストーンを選んでブレスレットをアレンジしてもらったということだった。 その占い師のK氏に対する見立てがことごとく合っていて、それで感激して、先のエントリーのタイトルとなったというわけだ。
じつは、ぼくも去年のシルクロードの旅以来、ブレスレットをするようになった。
元来、装身具嫌いで、ネックレスもブレスレットも指輪も、今まで身につけたことはなかったのだが、 なぜかこのウルムチの骨董品店で見つけた天珠のブレスレットは気に入って、常に身につけるようになった。
べつにゲンを担いでいるわけでもないのだが、なんとなく、これを身につけていることで落ち着くのだ。
K氏は長く経営者として、自分で立ち上げた会社を育ててきた。彼にパワーストーンの店を紹介したのも会社経営者だ。 ぼくは会社を経営しているわけでもないが、フリーランサーとして自分の道は自分で切り開いていかなければならないということでは、 同じような立場にあると思う(自分が抱える社員に対する責任を負わないだけ、ぼくのほうが気楽ではあるが)。
言われたことをこなすだけなら心は安楽だ。それが辛いことでも、愚痴や不満を吐き出して、上司や部下のせいにしていればいい。だが、 自分で道を拓いていかなければならない立場では、ときに、不安に押しつぶされそうになり、それでも愚痴や不満を言っても始まらないし、 それをぶつける相手もいない。人間だから、そうそう意志を強く持ち続けて、たくましく不安をはね飛ばし続けることも難しい。そんなとき、 超常的なものに心が傾くのは、仕方ないことだろう。
若いときに出身地で起業し、今は会社を大きくしてがんばる友人がいる。彼は、 経営者である自分と社員との意識の違いをblogに書いていた。与えられた仕事をただこなすだけでなく、会社が持つミッションを自覚し、 積極的にコミットしていく……今、社会が激動期にあって、それに合わせて会社も個人もどんどん変化していかなければならないときに、 誰かの指図を待っていたり、責任逃れをして自分の世界に籠もっていては、社会の変化から置いて行かれてしまう。
彼には、今度スタートするプロジェクトで必要な人材を捜すのに力を貸してもらった。目が回るほど多忙な中、 自社の利益にならないことをレスポンス良く真剣に取り組んでくれた。相談相手のニーズを正確に汲み取って、的確にレスポンスしてくれる。 そんなことからも、彼が優秀な経営者であることはよくわかる。こうした経験をすると、プロジェクトをなんとか軌道に乗せて、 彼とコラボレーションできるようになるために頑張ろうと意欲が湧いてくる。
人材紹介ということでは、かつてSEGAで一緒に仕事をした友人にもとても的確なアドバイスをもらった。彼はまだSEGAにいて、 今はプロデューサーだが、やはり「経営感覚」を持った人間の一人だ。
やはり、心落ち着けて、いい仕事をしていくためにいちばん大切なのは、信頼できる人間関係をおいて他にない。
オリジナルのパワーストーンを身につけはじめたK氏にしても、そうした心の平安に繋がるアドバイスをくれたのは、やはり「人」 なのだから。
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