先 週末、以前 キャンプしたカヤノ平へ、今度は紅葉を愛でに出かけた。
しかし、例年ならこのあたりでは、10月上旬にはピークを迎えているはずだが、山には、点々とナナカマドの朱が目につくだけで、 他の木は、ようやく色づき始めたといった程度。
今年は、残暑が長く続いたのと、秋になってからの冷え込みがまだ本格的でないため、全国的に紅葉が遅れているようだ。
それでも、秋の気配もまだ薄い東京からやってくると、抜けるような青空にナナカマドの朱が映えて、十分、 秋の気分に浸ることができる。
前回は白樺林の中にテントを張ったが、今回は牧場に面した草原にサイトを占める。他にも、同じようなオートキャンパーが、 タープとテントを張って、ゆったりと草原のフリーサイトの雰囲気を楽しんでいる。
日が暮れると急に冷え込みが厳しくなり、明日の紅葉を期待させる。夜空には、 もう都会ではまったく見られなくなってしまった天の川がくっきりと浮かび、寒さを忘れさせてくれる。
夜半から、少し気温が上がったと思ったら、雨になった。前回も夜半から明け方にかけて小雨が降ったので、すぐに止むと思ったが、 雨脚も風も強くなって、そのまま夜明けを迎えてしまった。
予定では、紅葉を満喫しながら、ブナの森と湿原を散策して一日過ごそうと思っていたのだが、吹き降りの雨では、 停滞しているしかない。ソフトハウス=テントに叩きつける雨音はうるさいけれど、ぼんやりと何もしない時間を過ごしていると、 いつも何かに追われている都会の時間が嘘のように思えてくる。たとえ、半日でも、こうした時間を過ごすと、 驚くほどリフレッシュできるのがよくわかる。
降り止まない雨の中でタープやテントを撤収し、麓の木島平へ。
街道に、「ソバあります」の看板を見つけて、クルマを止める。そこは、ごく普通の民家で、仏壇が据えられた居間に通される。 しばらく待つと、新ソバが運ばれてきた。このあたりでは、昔からソバを自家栽培して、一般的な家庭料理として食べられてきたそうで、 その手作りの味を提供することにしたのだという。
自分の畑で取れたソバを100%使った新ソバは、一日限定、わずか10食。 すべて自家製の野菜を使った漬け物にふろふき大根がついて、薫り高いソバは大盛り。最近、ソバが高級食と化して、 有名店でほんの少しの量を高い値段で出しているが、 この限定の今まで食べた中でいちばん美味しいソバが1200円というのはリーズナブルだった。
紅葉を逃したものの、このソバと出会ったおかげで、とても得した気分に浸れた気がした。
木島平からは、志賀草津道路を通って草津へ。途中の白根山付近はだいぶ紅葉も進んでいた。
草津で、村営の「大滝の湯」に浸かり、帰路についた。
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