**9月3日に刊行された「まっぷる選書」の三冊。それぞれ、 普通のガイドブックには記載されない面白いエピソード満載で、 すぐにでもその場所に出かけたくなってしまう**
9月3日に刊行された「まっぷる選書」その第一弾ともなる三冊がとても面白い。
誰でもよく知っている観光地に秘められた悲惨な過去や逸話、日本全国で見られる珍しい自然現象、そして、 自然災害や戦災などで失われてしまった全国の都市や城の遺構。それらを実地に旅した歯切れのいいレポートが掲載されている。
東京都民のオアシスともいえる奥多摩の「おいらん淵」は、戦国時代に武田家が金山開発をしたところで、 そこで働く工夫を癒すために連れてこられた花魁たちが、秘密を守るために淵に渡された宴席ごと落とされたことでその名がついた。
北海道の原始の自然の象徴でもある野付半島には、じつはかつて漁師の集まる街があって、娼館が並んでいた。
一夜にして山崩れで埋まってしまった帰雲(かえりくも)城の黄金伝説。津波に飲まれた日本のポンペイ、「瓜生島」。
さらに蜃気楼が現れる原理や面白い虹、低緯度地帯で見られるオーロラ等々。
開いてみると、次から次へと面白いエピソードが出てきて飽きさせない。
普通のガイドブックには載せられていない、そんなエピソード満載のこのシリーズは、読み物としても面白いが、こいつを持って、 取材陣と同じようにその現場を訪ねてみたいという気にさせる。
私事になるが、ぼくはもう10年以上前から、聖地が直線上に連なったり、大地の上に星空を象るように聖地が配置される「レイライン」 というものを追っている。
GPSを片手に、聖地どうしの位置関係や聖地の中に配置された文物の位置関係を検証していくと、じつに興味深いものが見えてくる。
そのレイラインを検証するツアーなども行っているのだが、毎回、何人もの人が参加してくれる。
そろそろ、お仕着せの観光旅行も飽きて、自分なりのテーマを決めて旅をして、 その土地に秘められた様々なものを感じ取ってみたいと思う人が着実に増えている。
そんな人には、まさに打ってつけのシリーズだろう。
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