**「地蔵の頭」から妙高方面を望む。東側の展望は開けて、 すべてのピークが見渡せた**
昨年の春から取材をしてきたNBS長野放送の特番の収録が佳境を迎え、北アルプスの尾根筋に「風切地蔵」を求めて登ってきました。
初日は春のような陽気で、空は快晴。五竜遠見尾根の中腹にある「地蔵の頭」まであっという間に登り着き、大展望を楽しみました。
**北アルプスの主稜線もときおり姿を現す**
今年は「暖冬雪不足」といわれて、例年なら豪雪に閉ざされたような場所がほとんど雪がない状態。白馬もこの例に漏れず、麓では 「積雪」というよりも「雪がかろうじて着いている」といった状態。一方、例年ならまだ積雪はさほどでないはずの八ヶ岳あたりにはしっかりと雪があるのが対照的です。 異常気象になると、こうした逆転現象が頻発するということですが……。
さて、翌日は、発達した低気圧が東の海上に抜けていき、西高東低の気圧配置に。朝から森々と雪が降り積もり、 その勢いが増していきます。
二日目は、五竜遠見尾根の北側に伸びる八方尾根の中腹にある八方池まで行く予定です。
ゴンドラとリフトを乗り継いで、さらに2時間余りの登りとなりますが、こちらはリフトに乗っている時点で、吹き降りが強く、 真っ直ぐ前を向いていられない状態。
早朝からの雪で尾根伝いのトレースも消えてしまい、歩き出して振り返ると、もう自分たちのトレースも怪しい状態。
**八方尾根は、最終リフトを降りた段階で、ほとんどホワイトアウト状態。 今回は残念ながら撤退**
この日はいつもお世話になっているペンション「ミーティア」 のオーナーであり白馬ガイドでもある福島さんがテレマークスキーを履いて案内してくれ、 福島さんもぼくも詳細地形図をインストールしたGPS持参だったので、最悪ホワイトアウトでも、 なんとかGPSを頼りに進むことはできたのですが、重いカメラ機材を抱えたテレビクルーにとっては、かなり過酷な行軍となりそうなので、 スタート直後に、今回は断念して、天気が回復してからリベンジを図ることに。
昨日は、地元の人たちが雪不足を嘆いていたのに、今日は、昨年の豪雪を思い出して心配し始める大雪……山の天気を読むのは、 ますます難しくなってきていますね。
コメント